(写真:時事通信)
過去に音楽雑誌のインタビューで“いじめ自慢”をしたことが問題視され、7月19日に東京五輪の開会式の音楽担当を辞任した小山田圭吾氏(52)。五輪が開幕した今もなお、騒動の余波が広がり続けている。
8月6日、小山田氏が8月20日に6人組バンド「METAFIVE」で、翌21日にはソロプロジェクト「CORNELIUS」として出演予定だった『FUJI ROCK FESTIVAL’21』(以下、フジロック)への出演キャンセルが発表されたのだ。
フジロックの公式サイトによると、《CORNELIUSのFUJI ROCK FESTIVAL‘21の出演はキャンセルとなりました。また、METAFIVEは、FUJI ROCK FESTIVAL‘21に向けた特別編成として、砂原良徳とLEO今井に、永井聖一(Gr)、白根賢一(Dr)をサポートメンバーに迎えての出演となります》と発表されたが、出演キャンセルの理由については触れられていない。
5日には「METAFIVE」を旗揚げした高橋幸宏氏(69)がTwitterで、休養宣言をしたばかり。昨年8月に脳腫瘍の手術を受けたことから、《しばらくライブはお休みとさせていただき、治療に専念して参ります。近い将来、元気な姿で皆さんとお会いできるように》と報告していた。
いっぽうで「METAFIVE」には、小山田氏を擁護するようなツイートをして批判が相次いだ権藤知彦氏(53)や“小山田氏を批判したTwitterアカウントを次々とブロックした”として物議を醸したテイトウワ氏(55)も在籍。だがフジロックへ出演するMETAFIVEのメンバーには、奇遇にもその2人の名前はない。
ネット上では《フジロック超英断》《普通の対応では?》との声もあれば、《見たかったのに》《機会はフェアに与えられるべき》と惜しむ声もあり賛否両論だ。
■相次ぐ“中止ドミノ”でアーティスト活動が窮地に
現在に至るまで沈黙を守り続けている小山田氏だが、およそ2週間でアーティスト活動が窮地に陥っている状況だ。
小山田氏が辞任を発表した翌日の7月20日、「CORNELIUS」名義で音楽を担当した番組『デザインあ』『JAPANGLE』(NHK Eテレ)の放送が見合わせとなった。NHKの正籬聡放送総局長は21日の会見で、「記事等の事実確認をしてご本人が内容を認めたので、一連の経緯を総合的に判断した」と説明。
また7月9日からスタートしたドラマ『サ道 2021』(テレビ東京系)でも、「CORNELIUS」名義の楽曲「サウナ好きすぎ」が主題歌に使用されていた。騒動を受けて同局は21日に「差し替え」を発表するも、直近の放送には間に合わず。23日放送の第3話は、異例の“ノー・ミュージック”となったのだ。
さらに静岡市では人気アニメ『ちびまる子ちゃん』の作者・さくらももこさん(享年53)が作詞し、小山田氏が編曲したPRソング「まるちゃんの静岡音頭」の新バージョンが7月19日に披露された。だが21日に「一連の報道に対する市民の皆さんからの意見を考慮し、楽曲のPR活動を停止します」と発表され、わずか3日間でお蔵入りに。
そんな相次ぐ“中止ドミノ”はバンド活動にも波及した。小山田氏が所属する「METAFIVE」は、「新型コロナウイルス感染拡大の影響」を理由として26日に横浜市で予定されていたライブを中止に。そして28日には、2ndアルバム『METAATEM』の発売中止が発表された。さらにリリースに伴うイベントも中止となり、レギュラーラジオ番組『METAFM』(InterFM897)も打ち切りとなったのだ。
あまりにも代償が大き過ぎた辞任騒動。八方塞がりとなっている小山田氏に、再スタートを切る日はやってくるのだろうかーー。