大谷フィーバーの裏で思わぬ悲鳴が(写真:アフロ)
米メジャーリーグでプレーするエンゼルスの大谷翔平投手(29)。日本での連日活躍の様子が伝えられているが、思わぬ悲鳴が上がっているーー。
“リアル二刀流”として、日本のみならず世界中から注目されている大谷。日本のメディアも大谷フィーバーが顕著になっている。
「主婦層が視聴者として多い平日お昼のニュースや、民放テレビ局で放送される午後の情報番組でもトップニュースに大谷を持ってくることが多い。世間の関心が高いので冒頭に持ってきて、毎分視聴率を上げたい戦略です」(テレビ局関係者)
今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一の中心メンバーとして大活躍したこともあってNHK、民放各テレビ局とも露出量は昨年までと比べ物にならないほど増えた。その流れにもっとも乗り遅れていたのが日本テレビだった。
「これまでグループの巨人に所属した松井秀喜さん(49)がヤンキースで活躍していたころから、メジャーリーグの試合映像の購入を見送っていました。ところが他局での視聴率の反響、世間の関心をさすがに無視できず大手広告代理店と年間10億円を投入して契約。開幕戦以降はすべての試合の映像が使えるようになりました」(日本テレビ関係者)
以前も練習映像は制限なく使えるためそのまま流していたが、試合に触れた原稿になった途端、海外通信社の写真で紹介していた日テレ。大きな進歩だったことは言うまでもない。
「系列局の読売テレビも『情報ライブ ミヤネ屋』メインMCの宮根誠司が大の野球好きということもあって、これでもかというくらい大谷の試合を紹介しています。おまけに視聴率も上がるので一石二鳥といったところ。日本テレビ制作の報道番組よりも取扱量はむしろ多いくらいで、『“偏重報道”になっているのでは』との皮肉も上がっています」(前出・日本テレビ関係者)
お昼のワイドショーということで許される面もあるだろうが、とばっちりを受けているのは日本のプロ野球チーム。ペナントレースの結果が報じられないパターンがどんどん増えている。
「例えば『news zero』では番組上層部の『全試合を均等に扱う必要はない』との方針もあり、全球団が露出していません。またスポーツコーナーのトップは当然、大谷で多くの時間を割きます。そのため、以前にも増して露出が少なくなっているのです。野球以外の競技もワールドカップ、五輪などにつながる試合やインタビュー以外は減少傾向になっており、各所から悲鳴があがっています」(前出・日本テレビ関係者)
大谷はオールスターゲームを挟み、7月14日のアストロズ戦に後半戦で初めて「2番・ピッチャー」で先発登板。だが右手中指のつめを痛めた影響からか、6回途中5安打5失点で5敗目を喫した。いっぽうで打者としては今シーズン27度目のマルチを記録したものの、チームは逆転負け。それでもこの日のスポーツニュースでも、大谷の取り扱いは大きかった。フィーバーぶりは当面続くが、何とも悩ましい問題を抱えているのだ。