青く澄み切った空の下、皇居では3年ぶりとなる新年一般参賀が1月2日に行われた。今年は事前抽選制で参加者が絞られ、大きな声を出さないようアナウンスがあるなど、感染防止対策が徹底されたうえでの実施となった。
天皇陛下と雅子さまに続き、皇族方が続々と宮殿・長和殿のベランダにお出ましになるなか、愛子さまのお姿が見えると、皇居東庭に集まった参加者からは、
「かわいい!」
「お美しくなられて……」
といった声が上がった。皇室ジャーナリストは、この様子をこう振り返る。
「一般参賀では、皇室とより多くの国民が対面できるように、複数回にわたって、皇室の方々のお出ましがあります。今年の新年一般参賀では、両陛下と愛子さまのお出ましは計6回ありました。
1回目のお手振りでは、愛子さまに緊張されたご様子がありましたが、雅子さまが何度かアイコンタクトを取られると、しだいに笑顔が明るくなられていたように思います。
回数を重ねるごとに、東庭の端にいる人のほうまでご覧になるようになって、手を振りながらほほ笑まれていらっしゃいました」
両陛下や秋篠宮ご一家のほか、上皇ご夫妻や常陸宮ご夫妻、三笠宮ご一家、高円宮ご一家と、一般参賀には成年皇族が一堂に会される。
「皇室と国民が直接対面する大事な機会とされており、皇族方は一様に緊張感をもって準備され、一般参賀に臨まれています。長和殿のベランダにお出ましになる順番や並び方、お手振りのタイミング、ご表情など、厳密な所作が求められます。
佳子さまが初めての一般参賀に備えて、一般の参加者に交じって“予習”されていたことがあるほどなのです」(宮内庁関係者)
■ハプニングにも落ち着かれて対処を
愛子さまも緊張されていたものの、天皇陛下と雅子さまが見守られるなかで、無事に“お手振りデビュー”を果たされたばかりか、ハプニングにも冷静に対処されていたのだ。
「30年以上も一般参賀にお出ましになっている秋篠宮さまが、3回目で位置を勘違いされたのか、雅子さまのすぐお隣に立たれていたのです。秋篠宮さまの勘違いに気づかれた愛子さまは、落ち着いたご様子で殿下の後ろから声を掛けられたのです。すると秋篠宮さまは身を翻されて、本来の立ち位置に戻られていました」(前出・皇室ジャーナリスト)
こうした成功の裏には、雅子さまとの“母娘特訓”があった。
「愛子さまは雅子さまにこと細かく所作について確認されるなど、多くのアドバイスを受けられていたそうです。特に、女性皇族の服装は皇后さまが最初に色や装いをお決めになることになっているので、服装は昨年のかなり早い段階から相談されていたのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
愛子さまは、両陛下とともに年末やお正月も行事やイベントに臨まれた。’22年末の12月28日には、ご一家で映画『Dr.コトー診療所』の地域医療支援チャリティ上映会に臨席されている。
「上映終了後に、出演した吉岡秀隆さんや柴咲コウさん、フジテレビの関係者らと別室で懇談する時間がありました。愛子さまがご自身の言葉で、へき地医療の問題について述べられていたことに、同席した関係者は皆一様に驚き、感動したと話していました。
相手と目を合わせてお話しになる愛子さまのお姿に、天皇陛下と雅子さまが満足そうにほほ笑まれていたのが印象的だったそうです」(フジテレビ関係者)
一般参賀に先立つ元日は新年祝賀の儀、上皇ご夫妻へのご挨拶と新年早々から多忙だった愛子さま。これからも歌会始など、愛子さまがお出ましになると思われる行事があり、日本中の関心は高まる一方だ。静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんもこう話す。
「今や愛子さまは、“史上最も国民からの関心や期待が集まる内親王”となられたと思います。皇室の長い歴史の中で存在感があった内親王はおられましたが、愛子さまのようにここまで幅広い層から関心が集まった例はありません。
それは、愛子さまが天皇陛下の唯一のお子さまであり、昨今議論されている皇位継承問題に関わる存在であるからです。
現在の皇室典範では男系男子による継承のみが認められており、将来的には秋篠宮さまご一家に皇統が移ります。しかし、秋篠宮家には眞子さんの結婚や悠仁さまの教育方針を巡って国民から批判の声が上がっています。
こうした状況ゆえに、女性皇族に皇位継承権がなくても、将来の皇室の安定を求める国民の希望が、愛子さまのご人格や品位に集まるのでしょう」
愛子さまは4月に大学4年生となられ、成年皇族として皇室が担う数多くの公務の一翼を支えていかれることになる。’23年の目標の一つは“単独ご公務”だが――。
「まず学業を優先するという両陛下と愛子さまのご方針もあり、現時点では単独でのご公務については、まだ具体的に検討されている段階ではないと聞いています。
ただ、’22年末からは両陛下のご訪問に同行されたり、キャンパスに直接足を運ばれるようになりました。学業とお務めを両立できるよう、愛子さまはご活動の範囲を広げ、準備をされているのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
■注目されているベルギー王室の招待
また、’22年12月に来日したベルギーのアストリッド王女が天皇陛下を同国に招待する意向を表明したことから、’06年のオランダ以来の“17年ぶり家族海外訪問”への期待感も高まっているという。世界各国の王室に詳しい関東学院大学教授の君塚直隆さんは、皇室とベルギー王室との“絆”についてこう語る。
「国賓や公式訪問であればご家族で訪問することはありませんが、ほかの形であれば愛子さまもご一緒にベルギーを訪問されることもあるかもしれません。英国同様に皇室とベルギー王室は、上皇さまとボードワン元国王がご親交を結ばれて以降、深い交流を重ねてきました。
’90年、上皇さまの即位の礼には、“戴冠式には名代が出席する”という慣例を超え、ボードワン元国王夫妻が参列されました。’93年にボードワン元国王が亡くなられたときには、“天皇は葬儀には参列しない”という慣例がありましたが、上皇ご夫妻は国葬に参列され、葬列の最前列を歩かれたほどなのです」
強い絆があるからこそ、前例を超えた訪問の可能性もあるというのだ。さらに欧州各国の王室では、愛子さまの同世代の女性王位継承者が交流を深めている。
「’22年6月、ノルウェーの王位継承者であるイングリッド=アレクサンドラ王女の18歳のお誕生日祝賀会が開かれました。この会には、オランダのカタリナ=アマリア王女(19)、ベルギーのエリザベート王女(21)、スウェーデンのエステル王女(10)と、各国の“将来の女王”が駆けつけました。
欧州各国は、将来女性の王位継承者が続々と即位し、“女王の時代”を迎えます。ぜひ同世代の愛子さまにも、この女王たちのネットワークに加わっていただきたいですね」(前出・君塚さん)
事前に、そして現場で……雅子さまとの日々の特訓が実を結び、愛子さまが世界に飛躍される日を、両陛下も期待されていることだろう。