3月16日、佳子さまは茨城県立水戸聾学校を訪問された
「いろいろ発表していただいてありがとうございます」
3月16日、水戸市にある茨城県立水戸聾学校を訪れていた佳子さまは、生徒たちの学校生活についての発表をお聞きに。その後は、手話を交えて一人一人と熱心にお話しになり、終了予定時刻をオーバーするほどだった。
この日の佳子さまは、ロイヤルブルーのジャケットに、シースルーのロングのプリーツスカートという春らしい装い。聾学校では口元の動きがわかるように、透明なマスクを到着時から着用されていた。
華やかな装いと所作で、“魅せる”ようにご公務に臨まれている佳子さまだがーー。
「じつは、この水戸聾学校への到着時の取材で報道陣が困惑する“通達”があったのです」(皇室担当記者)
皇室取材の現場では、天皇皇后両陛下や皇族方が到着される前から、カメラマンはお姿を撮影できるように準備している。
「取材前に、皇嗣職から“一人目の奉迎者に話しかけてから撮影をスタートすること”と報道陣に通達されていたのです。通常であれば降車される前から撮影できるのですが、それはNGとされたわけです。“なぜいつもと違うのだろう”とカメラマンたちは疑問を抱いていました。
取材時、特にテレビカメラは、お車が敷地に入るところから撮影しています。降車された直後が撮れないと、テレビなどのメディアでは“映像がつながらない”という問題も起きてしまうので、なるべく撮影を始めるタイミングをずらしたくないわけです。
両陛下はもちろん、上皇ご夫妻や秋篠宮ご夫妻、皇族方が車から降りられる際には、報道陣はすぐ撮影を始めることができますから、今回の佳子さまを取材するときの“通達”はきわめて異例でした」(前出・皇室担当記者)
■“美意識に反する”取材はNGに!?
報道陣は、現場に先に着いていた皇嗣職の職員に、降車後歩き始められてすぐに撮影できないか、と相談したという。前出の皇室担当記者はこう続ける。
「報道陣の申し出を聞いた後、職員はすぐに連絡を取り、しばらくすると提案した条件での撮影許可が下りました。しかし……」
予定より5分早く、佳子さまが乗られた車が到着した。
「車は校内のロータリーを右回りに入ってきて、佳子さまが降りられるドアを報道陣の反対側に向けて停車。佳子さまが降りられる場面は、拝見することができなかったのです。 あえて報道陣から見える場所で降りられなかったところに、強いご意志を感じました。もしかしたら佳子さまにとって、“美意識に反する”ということだったのでしょうか」
ファッション評論家の石原裕子さんはこう話す。
「女性が車に乗る際は、まず腰かけて膝をそろえて、足を回して座ります。降りるときはその逆の順番となりますが、周囲から足元を見られるのがまず気になるものです。
また、頭が当たらないかどうか気をつけたりするので、どうしても隙ができてしまいがちです。佳子さまはそのお姿を撮影されたくなかったのかもしれません」
佳子さまの最近のファッションにもこうした独自路線が表れているという。
「昨年栃木県を訪問された際には、レースを多く使った赤いお召し物に赤いイヤリングでした。そうした装いは、皇室のご公務ではあまり見られなかったものです。先日の水戸市へのご訪問でお召しになった流行のロングスカートには、紺から青、白へと日本的なグラデーションが施されていました。これは、美智子さまがお好みになった和のテイストです。
お母さまの紀子さまが“皇室らしい装い”を徹底されているのと対照的に感じます。お値段も、1万〜3万円前後の価格帯のアイテムを取り入れられるなど、若い人でも手に入れやすいものをお召しになっています。
お若いころから美しいお召し物や所作が注目された美智子さまのように、ファッションを通じて皇室への注目度を高めたいと、佳子さまはお考えになっているのかもしれません」(石原さん)
佳子さまの美へのこだわりは、ご公務の細かな部分からも感じ取れるという声もーー。
「手話での会話を拝見していても、一つ一つの動きをはっきりとさせ、指先まできれいに見せようと努められています。さらに最近は、移動時に窓を開けてお手振りされる際も、ほほ笑むご表情を崩さないよう、作り込まれている印象があります。
1月には、皇嗣職が“佳子さまのお言葉を報じてほしい”と公務先の主催団体を通じてメディアに伝えたこともありました。佳子さまはご自身のお姿やご公務などを“効果的に、かつ美しく”伝えたいと強くこだわられているように感じます」(宮内庁関係者)
ご自身の信念を貫き、佳子さまはこれからも“美”を究める道を歩まれていく。