お笑いコンビアンジャッシュの渡部建(49)が2月15日放送予定の番組「白黒アンジャッシュ」(千葉テレビ)で復帰することを正式に発表した。
渡部といえば2019年に多目的トイレ等での不貞行為が報じられ、活動を自粛していた。
その後も複数回の復帰疑惑が持ち上がるが、事前のリークなどに批判の声が殺到。結局、復帰はいったん白紙へ。そして1年7カ月がたった今月、満を持して復帰する運びとなった。
渡部は所属事務所の公式サイトで「この一年半の間、猛省する日々を過ごしながら自分自身を見つめなおして参りました。その中で、いま一度活動をさせて頂ける機会があれば、ゼロからまた頑張りたいという思いに至りました。今後、いただけるお仕事があれば、ひとつひとつ丁寧に全力で務めて参りたいと思います」とコメント。
初心に帰って仕事に向き合うことを宣言し、妻で女優の佐々木希(33)もInstagramで後押しのコメントをしている。
やっと場が整った渡部の復帰劇。ただやったことへの風当たりはいまだ強く、視聴者側からは別の違和感の声もあがっている。
そんななか、恋愛ジャーナリストのおおしまりえさんは「こうした二転三転する状況を経た結果、実はより渡部さんの立場は難しくなっているようにも思うのです」と語る。その理由とは――。
■復帰が慎重すぎる違和感
今回の復帰にたどりつくまでには、過去に複数回の復帰報道がありました。しかしどれも事前にリークがなされ、批判が集まったこともあって結局は頓挫。こうした行為が複数回あって今回の復帰にたどり着いたわけです。ただ改めて考えると「なぜここまで世間の声を重視するのか」という違和感が残ります。
もちろんタイミングとしては、ほとぼりが冷めてからが好ましいでしょう。しかしやったことの大きさを思えば、批判がなくなるタイミングなんてものはありません。本人や事務所が決めたタイミングで走り出すしかないのです。
なのに結局は複数回の“さぐり”があったことで、逆に復帰にもしたたかな印象を与えてしまったとも言えます。
■テレビにこだわりすぎる違和感
多くの人が指摘する違和感のひとつとして、「復帰の場所へのこだわり」があります。
芸人さんであれば、今や復帰の場所は無限にあります。劇場やYoutubeはもちろん、SNSで復帰宣言して独自の情報発信をしていくことも可能です。
しかし、渡部さんが選んだのはあくまでもテレビ。複数回出た過去の復帰報道も、すべてテレビでの話でした。
芸人で初心に帰るというなら、劇場でも良かったはずです。それがなぜテレビなのか。
もちろん、周りとの関係性あってのことだとは思います、ただ結局、そこには“自身の反省や初心といった気持ちよりも、周りから求められる状況に応じる”という姿勢が強く反映しているように感じます。それがつまるところ、「根本は変わっていない」という印象を生み出しているのかもしれません。
■かたくなに事前情報を隠す違和感
今回の復帰報道はいったん千葉テレビ側による「復帰報道否定」の情報が出て、それを否定する形で「やっぱり復帰確定」という情報が浮上。ドタバタの復帰発表だったことは否めませんでした。
渡部さんのしたことには今なお批判の声が大きいもの。だからといって彼の復帰が世間的に常に大きな注目を集めているかといったら、そうではありません。ある意味でこうした否定報道があったから、より良くない注目の集め方をしてしまっている側面があります。
かたくなに事前情報を出さないことは、テレビで復帰という制限のある場ですから仕方ない部分はあります。しかしなぜ、ここまで世間の声を重視するのでしょう。また重視した結果として結局は復帰するのであれば、どのタイミングでも彼のキャラクターへのダメージはあまり変わらなかったような気さえします。
テレビを復帰の場所として選んだから起きた歯がゆさなのか、それとも彼を取り巻く状況が複雑なのかは分かりません。ただこうした違和感を残したことで、現在は彼のしたことへの批判以上に“よくない印象”がついてしまったように思います。
今後は活動によってそれを挽回していくフェーズに入るわけで、その未来がどんなものかは私たちが見届けていくしかありません。ちょうど今年50歳を迎える渡部さん。人生の折返し地点、マルチ芸人が次はどんな変化を遂げていくのか見守っていけたらと思います。
(文:おおしまりえ)