(写真提供:宮内庁)
丸テーブルを囲み、にこやかに談笑される天皇陛下と雅子さま。2月9日、両陛下は皇居・御所で来日中のフィリピンのマルコス大統領夫妻と面会された。
「丸テーブルでのご懇談は、昨年11月から始まりました。昭和と平成のころは、横一列にいすに座り、男性と女性に分かれて会話をしていたのです。
しかし両陛下は、男女4人がいっしょに会話に参加できるようにと、丸テーブルを囲むスタイルに変えられたのです。9日も雅子さまは、大統領夫妻と英語で談笑されていました」(皇室ジャーナリスト)
陛下のご即位から約4年、皇后陛下として着実に改革を進められている雅子さまだが、最近はプライベートでの外出でも、お気持ちの充実が伝わってくるという。
前出の皇室ジャーナリストはこう語る。
「1月23日、天皇皇后両陛下は東京・上野の東京国立博物館をおしのびで訪れられ、特集展示『博物館に初もうで 兎にも角にもうさぎ年』を鑑賞されました。今年の干支であるうさぎに関する工芸品や資料などが展示されていたのです。
また『夫婦の日』とも言われている2月2日には、東京・丸の内にある静嘉堂文庫美術館を、やはりおしのびで訪れられました。ご覧になったのは『初春を祝う―七福うさぎがやってくる!』と題された特別展で、うさぎの冠を載せた七福神の人形など、うさぎにちなんだ美術品や工芸品が集められていました。
いずれのお出かけでも、雅子さまは沿道の人々に向けて、輝くような笑顔で、手を振られていたのです」
連続してのおしのびデートの共通点は“兎”。前出の皇室ジャーナリストが続ける。
「雅子さまは’63年、うさぎ年のお生まれです。それだけではなく、お小さいころから、うさぎが大好きでいらしたのです」
父・小和田恆さんが、在ソ連日本国大使館で一等書記官を務めていた当時、雅子さまもモスクワで生活されていた。5歳ごろのお写真では、うさぎのぬいぐるみをしっかりと抱っこされている。
「雅子さまは、このぬいぐるみを“よしこちゃん”と名付け、いつもいっしょに過ごされていたそうです」
しかしあるとき、よしこちゃんがいなくなってしまって……。
「とても寂しがっている雅子さまを、母・優美子さんは『よしこちゃんはお月さまに行ったのよ』と、慰めたのだそうです。雅子さまはそのころ、子うさぎが登場するマーガレット・ワイズ・ブラウンの『おやすみなさい おつきさま』という絵本が大好きで、お母さまのそんなお言葉でようやく安心されたとか。
連続“兎デート”でも、そんな少女時代のお話で、両陛下はほほ笑み合われていたのだと思います。天皇ご一家は以前、毎年のように、3月に長野県でスキーを楽しみながら静養されていましたが、コロナ禍のためにそれも取りやめられており、今年も見合わせとされる可能性が高いようです。天皇陛下は、雅子さまを少しでもお慰めしようと、“兎デート”に誘われたのだと思います。雅子さまも陛下のお心遣いに感激され、現地で笑顔をお見せになっていたのでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
■初めての記念日には思い出のチョコを
’93年1月19日にご婚約が正式内定、6月9日にご成婚と、今年は天皇陛下と雅子さまにとってご結婚30年のメモリアルイヤーにあたる。
「ご実家の小和田家では、父・恆さんの海外赴任などで、家族が離れ離れになる時期も頻繁にありましたから、お誕生日やクリスマスの記念日の贈り物を大事にしていたそうです。雅子さまは、いまもそうした習慣を守られています」(宮内庁関係者)
もちろんバレンタインデーも同様で、雅子さまはプレゼントを欠かされたことがないという。
’93年2月14日、ご婚約内定後の初めてのバレンタインデーに贈られたお品の1つが、スイスのブランド「ステットラー」のチョコレート。「ジュネーブの石畳(パヴェ・ド・ジュネーブ)」という、石畳をイメージしたキューブ形にカットされた生チョコだった。
双子の妹が生まれたスイスのジュネーブは、雅子さまにもゆかりのある街で、少女時代の思い出がこもったお菓子を選ばれたのだ。
そして今日、両陛下は記念すべき年のバレンタインデーを迎えられた。宮内庁内の一部職員の間でも“今年の雅子さまの贈り物”について話題になっていたという。
前出の宮内庁関係者によれば、「いちばん説得力があるとされたのは、“干支にまつわるチョコレートしかないでしょう”という意見でした。
陛下は雅子さまの干支にちなんだデートをセッティングされました。そのお返しに、雅子さまも干支にちなんだ贈り物を用意されたのではないかと……。陛下は子年の’60年に誕生されましたから、“マウスチョコ”ということになりますね」
お互いを思いやるお心が、両陛下の笑顔を輝かせ、さらに国民を魅了していく。