ご婚約会見に臨まれた天皇皇后両陛下
1993年1月、天皇陛下、雅子さまがご婚約決定後の記者会見で語られた“愛の誓い”から30年。初々しき両陛下の内定報道翌日から感動の会見を振り返ります。
【1月8日】
’93年1月6日のご婚約内定報道後、雅子さまが初の外出。当時29歳の雅子さまはヘルノのコートに身を包み、帝国ホテルに写真撮影に行かれた。
【1月13日】
ご婚約内定後の初デートは天皇陛下が当時お住まいだった赤坂御用地の東宮仮御所で。雅子さまはご自身のアルバムをお持ちに。
【1月19日】
この日の皇室会議で陛下とのご婚約が正式に認められ、お二人そろっての記者会見が行われた。会見の後、各宮家を巡りご婚約のご挨拶。祝福して迎えられ、お話が弾んだのか、最後の桂宮家にはかなり遅れて到着された。
■ご婚約会見のお言葉(抜粋)
【プロポーズと、返事のお言葉】
天皇陛下(当時は皇太子殿下):10月の3日に千葉県の鴨場でもって、雅子さんのほうに「私と結婚していただけますか」というようなことを申しました。(中略)その後、12月の12日に、この仮御所に来ていただいて、そこでもって「私からのお申し出、受けていただけますか」というふうに申しまして、そしてそれを受けていただいたというわけであります。
雅子さま(当時は小和田雅子さん):そのとき、12月12日ですが、(中略)私のほうから次のように申しました。「私がもし(皇太子)殿下のお力になれるのであれば、謹んでお受けしたいと存じます。これまで殿下には、いろいろ大変幸せに思えること、うれしいと思えるようなことも言っていただきましたので、その殿下のお言葉を信じて、これから二人でやっていけたらと思います。お受けいたしますからには、殿下にお幸せになっていただけるように、そして私自身も自分でいい人生だったと振り返れるような人生にできるように努力したいと思いますので、至らないところも多いと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします」。このように申しました。
【皇室入りを決意させた、天皇陛下のお言葉】
雅子さま:殿下からは私の心を打つような言葉はいくつかいただきました。(中略)11月の後半だったと思いますけれども、「皇室に入られるということにはいろいろ不安や心配がおありでしょうけれども、雅子さんのことは僕が一生、全力でお守りしますから」というふうに話しかけてくださいました。
【お子様の数について】
天皇陛下:これはコウノトリのご機嫌に任せて、というふうに申し上げておきましょう。
雅子さま:実はその質問については多分出るでしょうということで、一昨日(中略)だいぶ相談していたんですが、二人で答えが出ませんで、私は殿下にお任せするというふうに申し上げたんです。ただひとつだけ、これだけはおっしゃらないでください、といったことがありまして、それは、殿下は大変に音楽がお好きでいらっしゃるんですけれども、家族でオーケストラが作れるような子どもの数、というようなことはおっしゃらないでくださいね、というふうに申しました。
会見の夜、雅子さまは小和田家のご家族と赤坂御所(現・仙洞御所)での夕食会へ。雅子さまの薬指には美智子さまから贈られた指輪が光っていた。