エリザベス女王の国葬に参列された天皇陛下と雅子さま(写真:時事通信)
天皇陛下がイギリス・オックスフォード大学に留学された時の経験や出会い、生活ぶりを綴って、1993年に刊行された『テムズとともに――英国の二年間』が、4月22日に30年ぶりに新装復刊される。
「この『テムズとともに』は、1983年から約2年間、オックスフォード大での寮生活、学生たちや現地の人々との交流、エリザベス女王ら英王室からの温かい歓待、英国各地を回った研究生活のことまで、陛下が自らのご体験をユーモアたっぷりに綴られた留学記です。
慣れない洗濯に挑戦し、衣類と洗剤の量がわからず部屋を泡だらけにしたという思い出、パブで美しい街並みを眺めながらビールに舌鼓を打ったこと、友人たちとディスコに繰り出した日……などなど、陛下ご自身も“おそらく私の人生にとっても最も楽しい”と振り返られている青春時代のエピソードが詰まっています。
もともと同書は、学習院教養新書のうちの一冊として出版されたものでしたが、今回は学習院創立百五十周年記念事業の一環として、紀伊國屋書店から復刊されることになったそうです。復刊に当たって、陛下が“復刊に寄せて”と新たに書き下ろされた“あとがき”が加わっています」(皇室ジャーナリスト)
この“あとがき”には、昨年9月にエリザベス女王の国葬に参列した際に、“深い感慨に浸った”という直近の出来事についても記されている。そして、雅子さまへの思いが詰まった一節も――。
「この“あとがき”の中で、《遠くない将来、同じオックスフォード大学で学んだ雅子とともに、イギリスの地を再び訪れることができることを願っている》と、陛下の雅子さまへの深い愛情が伝わってくる一節があったのです。
雅子さまも、外務省入省後の1988年から2年ほどオックスフォード大に研修留学されており、両陛下は共通した経験をお持ちです。たびたびお2人で、当時の思い出を振り返ることもあるそうです。
5月6日(現地時間)に執り行われるチャールズ国王の戴冠式には秋篠宮さまが出席されますが、両陛下は生前のエリザベス女王から国賓として招待受けておりますし、そう遠くない日に再びイギリスを訪問されることになるでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
天皇陛下と雅子さまは、今年6月にインドネシアを国賓として公式訪問することが調整されており、2023年中の訪英が実現するかは見通せないというが――。
「明治天皇から歴代の天皇が叙されている、英国の最高勲章であるガーター勲章は、まだ陛下に贈られておりませんが、慣例からいっても、次回の訪英で叙されることになるでしょう。
陛下は留学中からチャールズ国王と公私にわたり、40年来交流されておりますし、昨今の良好な日英関係を象徴することとして、英王室側もガーター勲章を贈りたいと考えているようです。
両陛下のご公務などのスケジュール次第でしょうが、早ければ今年後半、遅くとも来年には実現する可能性が高いと思います」(宮内庁関係者)
天皇陛下と雅子さまが並んで、テムズ川のほとりを歩かれる日が一日でも早く来てほしい。