今年6月、インドネシアに出発される天皇陛下と雅子さま /(C)JMPA
政府は8月にも、外務事務次官に岡野正敬内閣官房副長官補(59)を充てる方向で調整していると、7月になって各メディアが一斉に報じた。
「岡野氏は、東京大学法学部卒業後、1987年に外務省に入省し、雅子さまとは“同期”にあたります。駐米公使や国際法局長、総合外交政策局長などを歴任し、昨年からは官房副長官補と国家安全保障局の次長も兼務しています。総合外交政策局長を務めていた時には、天皇陛下と雅子さまにたびたびご進講しており、ウクライナ情勢についてもご説明していたと聞きます。
岡野氏はさらに、雅子さまの父で元外務事務次官の小和田恆さんとも親交が深いそうです。2021年に出版された小和田恆さんの国際司法裁判所退官を記念する論文集の編集代表も務めていて、雅子さまにとっては非常に縁が深い同期なのです」(皇室担当記者)
これまで次官レースでは、“山田重夫外務審議官が先を走っていた”と外務省内で言われていたというが、急転直下で岡野氏を事務次官に充てる人事が決まったという。外務省担当記者は、岡野氏の人柄についてこう話す。
「官邸や自民党にも岡野氏の手腕やリーダーシップを評価する人は多かったのです。“上司と折り合いが良くなかった”という話も聞く一方で、岡野氏を慕う外務官僚は少なくないように感じますね。
外務省を担当する記者へ対する接し方も非常に丁寧で、“メディア受け”も上々です。オフで囲んだりぶら下がったりすると、嫌そうな態度を取ったり、“早くあっちいけ”などと不親切な態度を見せる外務省幹部は少なくないのですが、岡野氏は違います。
岡野氏が官房副長官補になる前のことですが、部屋の前で声をかけると、『ちょっと待ってて!』と言って一旦部屋に入って、資料や地図を持ってきてわかりやすく説明してくれるのです。話しかけやすいということもあって、岡野氏の部屋の前によく記者が集まっていたものでした」
昨年59歳となられた雅子さまも、感慨深いお気持ちを抱かれていらっしゃるようだ。
「雅子さまは昨年のお誕生日に際して公表されたご感想に、『いつの間にか人生のちょうど半分ほどを皇室で過ごしてきたことに、感慨を覚えております』と綴られていましたが、改めてご自身の半生を振り返られ、感慨深いお気持ちでいらっしゃるようです。
両陛下が外務事務次官と接点を持つことは日常的にはほとんどなく、国賓を接遇する行事などで顔を合わせるときくらいだと思います。しかし、官僚というものは同期入省の消息は一生涯気になるものです。雅子さまがまた、岡野さんとお会いする機会があったのなら、懐かしそうに昔を思い出されながらお話しになるでしょう」(宮内庁関係者)
6月のインドネシアご訪問を機に、再始動した令和の国際親善。同期の活躍を喜ばれながら、雅子さまも一層奮闘されていくのだろう。