毎日新聞が9月17日、18日に行った世論調査で、支持率が8月の前回調査から7ポイント下落し、29%だったことが報じられた岸田文雄首相(65)。内閣支持率が3割を切るのは、2021年10月の内閣発足以来初めて。
巨額の税金が投じられる安倍晋三元首相(享年67)の国葬を国会での審議を経ず、閣議決定で一方的に進めたことや、問題視されている統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)と議員との関係についても、いまだ丁寧な説明がなされていないことが支持率下落に影響を与えているようだ。
安倍元首相の国葬を巡っては、立憲民主党の泉健太代表(48)と共産党の志位和夫委員長(68)が欠席を表明し、れいわ新選組の代表・山本太郎党首(47)が“ボイコットする”と表明し、SNSでは賛否の声が上がるなど各党の代表の動きにも注目が集まっている。
各政党を率い、選挙時には“顔”として結果を大きく左右し政局にも大きな影響を与える党首たち。当然、注目を集める分、批判の矢面に立つ立場でもある。
そこで、本誌はアンケートサービスとTwitterで「期待できない党首」についてアンケートを実施し、ランキングを作成した。回答したのは男女684人。
「期待できない党首」で上位にランクインしてしまったのは……?
第3位となったのは、れいわ新選組の代表・山本太郎党首。前述した国葬のボイコット宣言だけでなく、消費税廃止を唱え、自民党の麻生太郎議員(82)について「万死に値する」と発言するなど、過激な姿勢が常に注目を集めている。
「期待できない党首」として選んだ理由には、
《実現できるようなことを言っているようには思えない。票を獲得したいが為に国民の利益が大きくなるようなことばかり言っているように感じるため》(20代・女性・パート)、《現実的にその政策を実行できるかというとほぼ不可能です。不可能な政策をもっともらしく言っていることが腹立たしいです。全く期待できません!》(30代・女性・会社員)
など、政策や発言の現実味が感じられないという声が多く寄せられていた。
さらに、過去の発言に不信感を募らせる人も――。
2013年10月に、ライブ配信の中で、昼食として出される弁当について、「ベクレてる(放射能汚染されている)んやろなぁ、国会議員に出すお弁当は」と無愛想な口調で呟いたことが、東日本大震災による放射線被害への差別発言として、当時SNSでは批判が殺到する事態に。
こうした過去から、《具体例も無く、実現出来ない主張ばかりを並べて、現実味が無い。差別的な言葉や不適切な言動も目立つので、信じることが出来ないです》(30代・女性・アルバイト)という意見も。
■第2位の党首は「国民の声は無視して税金の無駄遣いばかりする」
続いて第2位となったのは、自由民主党代表・岸田文雄首相。
選んだ理由として、前述した国葬決定までの強引なプロセスや、統一教会と自民党議員との関係に疑心をぬぐえないという声が多く寄せられていた。
《安倍晋三の国葬を議論なしで閣議決定したから》(60代・女性・会社員)
《国葬をごり押しし統一教会と自民党議員の関係をきちんと調査していない》(30代・その他・会社員)
《安倍元総理の国葬を何が何でも実行しているところに国民として不安を覚えています。税金をそこまでかける必要性はあるのでしょうか》(20代・女性・医療従事者)
岸田首相は今年6月に新たな政治活動用のポスターを発表。そこには「決断と実行。暮らしを守る。」のキャッチコピーが大きく記されていた。そして、度々「聞く力」をアピールしてきたが、《決断力が無い》(30代・女性・会社員)《国民の声は無視して税金の無駄遣いばかりする》(30代・女性・専業主婦)と、当初アピールしていたイメージとの乖離に落胆する意見も目立った。
そして残念ながら第1位に選ばれてしまったのは、NHK党・立花孝志党首(55)だ。
今年7月の参議院選で、暴露系YouTuberの“ガーシー”こと東谷義和議員(50)を比例代表で当選させたことは記憶に新しい。
立花党首は、初出馬時から「NHKをぶっ壊す!」と息巻き、公約には「NHK党の功績の周知とNHKスクランブル放送の実現」を掲げ、「不合理な受信料制度を改めNHKスクランブル放送の実現を目指す」としている。
しかし、アンケートでは《NHKへの攻撃ばかりで政治家、政党としてのビジョンが明確ではなく信用できない》(50代・男性・会社員)、《NHKと戦っているが実際、実現できていない。それだけに力を注いでいる》(40代・女性・パート)、《いつになったらNHK壊してくれるのか》(30代・男性・会社員)と、柱となる公約に対する疑問の声が続出。
さらに、今年7月の第26回参議院選ではNHK党から比例代表でガーシー氏を選出。晴れて議員になったガーシー氏だが、9月11日のライブ配信、ある男性芸能人2人の実名を公開し、ゲイ疑惑があると発言し、“アウティングではないか”とネット上で批判が集中。
立花党首は今まで、ガーシー氏を全面的に擁護する姿勢を見せていたが、今回の発言に関しては、「(暴露の)当事者から申し出があれば、NHK党として東谷議員を処分を下す可能性がある」と発言していた。
ガーシー氏を指導する姿勢を見せた立花党首だが、《日本にいないガーシーさんを支持しているから》(40代・女性・アルバイト)、《ガーシーなど政治家として不適当な人間を比例名簿に入れた点》(10代・男性・学生)と、“暴露系YouTuber”である東谷議員を比例代表で選出したことに対する厳しい声が上がっていた。
国民の“血税”から歳費が支払われている国会議員。その代表として期待に応える活躍をぜひ行ってほしいものだ――。
【「期待できない」党首ランキングは?】
1位:NHK党・立花孝志(52%)
2位:自由民主党・岸田文雄(12.8%)
3位:れいわ新選組・山本太郎(12%)
4位:社会民主党・福島瑞穂(9.6%)
5位:参政党・松田学(9.1%)
6位:日本共産党・志位和夫(9.1%)
7位:公明党・山口那津男(8.9%)
8位:立憲民主党・泉健太(8.8%)
9位:国民民主党・玉木雄一郎(6.7%)
10位:日本維新の会・松井一郎(6.2%)
※その他(0.2%)