「それでは会場の皆様、そしてオンラインの皆様、心一ひとつに、我々の後に『勝つぞ』コールのご唱和をお願い申し上げます!」
鈴木貴子衆議院議員(36)は、3月13日に東京都内のホテルで行われた第89回自民党大会でこう述べ、公示と見込まれる日まで残り約100日と迫る参院選に向けて、党一丸となって勝ち抜くことを誓った。
問題視されているのは、党大会の終盤。参院候補者が紹介されると、その代表として4月の石川県参院選補欠選で公認された宮本周司参議院議員(50)が壇上にあがった。
「来たる参議院選挙での必勝、いや、完全勝利に向けて、我々衆議院も全力を尽くして参ることをお誓い申し上げます」と宣言する鈴木議員に続いて宮本議員も「4月の補欠選挙で必ずや私が勝利して、必勝の流れを作ります」と、意気込みを語った。
すると、鈴木議員は冒頭のようにコールの“ご唱和”を呼びかけると、宮本議員と声を揃えて「勝つぞー!」と拳を突き上げた。そして会場もそれに続き、「おー!」と声を張り上げたのだ。
自民党ホームページによると、党大会に集まったのは所属国会議員と各都道府県支部連合会の大会代議員等、合計約1,200人。参加者はマスク着用の上で「勝つぞ」コールをしていたようだが、会場はかなりの“密”状態だった。
コロナの感染拡大対策として、コンサートやスポーツ観戦などでも観客は声を出さずに応援することが推奨されている現在。制限が強いられている国民生活を顧みない自民党の姿にSNS上では批判の声が殺到している。
《屋内でそんなコールが許されるなら、屋外のスポーツ観戦の歓声も認めて欲しいです》
《何故政治家は大声でコールしても良いのですか?だったらスポーツ界やライブ等での声出し解禁を早くしてください!》
《自民党クズすぎてなんか泣きそうになった。国民には感染症対策をお願いしておいて、何やってんの?感覚ズレすぎててびっくり》
《国民には色んな我慢を強いていて、全員でコールを行いましたって、どうかしてる》
さらに、2月には末松信介文部科学大臣(66)が学校での合唱や管楽器の演奏など、大きな声や激しい呼気を伴う活動を控えるよう都道府県に通知する意向を示していたことを引き合いに出す声も。
《学校ではまともに部活動出来てない、スポーツでは声出しての応援は禁止、学生の卒業式では歌を歌うことさえ我慢してるのに、、、あり得ない》
《子どもたちは歌すら歌わせてもらえないのに》
この党大会で、岸田文雄首相(64)は高らかにこうスピーチしていた。
《安定した政権のもとで取り組まなければならない課題がコロナとの戦いです。国民の皆さまには、2年以上にわたり不自由な生活をお願いしてきました》
《現在、まん延防止等重点措置を実施している18の都道府県においても、感染者数が顕著に減少し始めています。引き続き、感染拡大防止を徹底しながら、出口に向けて動きを進めてまいります。その際大切なことは、引き続き、万全のバックアップ体制を整え、そして維持していくことです》
昨年10月に衆議院が解散した際には、コロナ禍にもかかわらず恒例の「万歳三唱」をしたことでも批判を浴びていた。自民党はその教訓を生かすこともなく、国民感情と乖離した行為を続けていくのだろうか。