「ロシアを強く非難するとともに、米国をはじめとする国際社会と連携して迅速に対処していく」
深刻化するウクライナ情勢を受けて、2月24日、参議院予算委員会にて岸田文雄首相はそう答弁した。
同日午後3時ごろ、政府は国家安全保障会議(NSC)を開き、ウクライナ情勢の分析や、今後の日本政府の対応について協議したとみられる。
23日には、ロシアへの制裁措置として、同国が独立を承認した地域の関係者のビザの発給停止と資産凍結、輸出入の禁止、そしてロシアの国債などの日本での発行・流通を禁止することを発表。米国や欧州にならって、ロシアへの姿勢を強めている。
各国がロシアへの姿勢を強める中、再び取り上げられているのが、わが国の政治家たちのプーチン大統領への発言だ。
「とりわけ、首相在任当時から“盟友アピール”をしてきた安倍晋三氏には、“いまこそ出番なのでは?”という声が多く寄せられています。
2016年、安倍氏は日露首脳会談の際、プーチン大統領を地元・山口県の高級旅館『大谷山荘』に招いてもてなした。
さらには2019年、極東ウラジオストクで開催されたロシア主催の『東方経済フォーラム』では、日露平和条約締結を呼びかけるため、『ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている。ゴールまで2人の力で駆け抜けよう』と、彼の名前まで呼んで語りかけていました。
それほどまでの関係であれば、“仲裁役”を買ってでては? という意見が出るのも不自然ではありません」(政治記者)
もう一人、プーチン大統領について語っていた人物がいる。長年にわたり北方領土問題に携わってきた鈴木宗男参議院議員だ。
「プーチン大統領と何度も対面した経験のある鈴木氏は、1月8日にトークショーで『プーチンさんは日本を理解している人情家』と発言しています。さらに。岸田氏に対して、対面での日露首脳会談を行なうべきだと説いていました。
しかし、今回の問題において、岸田氏も『ウクライナの主権と領土の一体性を侵害するもの』とプーチン大統領を糾弾しており、同氏は“人情家”の側面など少しとして見せていないわけです。
現在の状況を鑑みれば、安倍氏が行ってきたお友達アピールも鈴木氏の『人情家』発言も、その場その場の機嫌をとるための発言だったとしか言いようがありません」(前出・政治記者)
戦後最悪ともいわれるロシアをめぐる国際情勢。安倍氏や鈴木氏に、プーチン大統領を“説く”隙がないことは言うまでもない。
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