アルピー平子、パンサー向井らが「花粉症に効く」と紹介したお茶からステロイド検出 医師解説の危険性
《定期の血液検査にて ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)といった検査値が低いことから、副腎機能が抑制されていることに気付いた。2022年4月にお茶を止めてもらったところ検査値は速やかに改善した。以上から、お茶に抗炎症・抗アレルギー作用のある副腎皮質ステロイド成分が入っていることが疑われた》
「この13歳の女性は、別疾患で通院中であったため、血液検査で異常が判明しましたが、消費者の中には、気づかずに服用し、なんらかの不調を感じている人もいる可能性もあります」
「そもそもステロイドとは、副腎皮質ホルモンを合成した薬で、炎症やアレルギー反応を抑える作用があり、慢性的な炎症性疾患やアレルギー性疾患の治療に使用されます。しかし、副作用もあるために、適切な処方や使用方法が必要です。ステロイドの副作用を怖がり、使用を拒む患者さんもいて『Steroid Phobia(ステロイド忌避症)』という言葉があるくらいです。
「左右の腎臓の上にある副腎から分泌されるステロイド(副腎皮質ホルモン)のひとつ、コルチゾールは、抗炎症作用、抗ストレス作用、抗アレルギー作用などがあり、体の免疫のバランスや血糖値コントロール、タンパク質や脂質の代謝など、健康維持に欠かせないホルモンなんです」(五藤医師)
「体には『恒常性』という、体の状態を一定に保とうとする性質があります。人の場合、とくに内分泌系(ホルモン分泌など)において恒常性が働くため、『ジャムー・ティー・ブラック』を毎日飲むことで、体に外からステロイドが補充され、副腎はコルチゾールを分泌する必要がないと判断し、分泌が低下したということです。
「2022年4月にお茶を止めてもらったところ検査値は速やかに改善した」と発表されているように、4カ月ほどと比較的短い期間であったため、幸いにも検査値も速やかに改善し、副腎の機能障害を起こすことは免れました」
「本来、コルチゾールは、『日内変動』といって、1日のなかで分泌量が変わる、という現象があります。たとえば起床時がいちばん高く、日中に体を活発な状態にします。しかし、体の外からステロイドを摂取すると、本来の日内変動が崩れ、体調を崩すことがあります。また、適正でない量や誤った服用方法で、長期にわたりステロイドを摂取すると、副腎の機能障害を起こすことも考えられ、重篤な症状を引き起こす可能性もゼロではありません」(五藤医師)
「ジャムー・ティー・ブラック」に含まれているステロイドの量は、非常に微量ではあるが、飲む量によっても異なってくるため、五藤医師は、愛用していた人は近くの医療機関を受診してほしいという。
「自覚症状がないという人も、念のため、医療機関を受診することをお勧めします。今回のケースに限らずですが、本来は治療が必要とされる症状が、お茶や加工食品などで改善すると聞いた場合、すぐに飛びつくのではなく『なぜ?』と考えることが必要だと思います。過去にも、やせ薬に覚醒剤原料が含まれていたケースや、EDが改善するというハチミツに、ED治療薬の成分が含まれていたケースがあります。十分に注意してほしいと思います」