「嘘はダメだなって。こうなったら正直に話さないと」
5月19日、 “ジャニーズの長男” と呼ばれた近藤真彦(58)は報道陣にこう話した。またひとつ、故・ジャニー喜多川氏の性加害疑惑で大きな山が動いた瞬間だった。
英国・BBCが被害者の証言を国際的に報じたことをきっかけに、大手メディアも続々と報じ始めたこの問題。5月14日に、ジャニーズ事務所の現社長・藤島ジュリー景子氏(56)が “顔出し” で謝罪する動画が公開されると、一気に世間はヒートアップした。
ジュリー氏は「知りませんでした」と説明したが、それに対して「無理筋だ」という批判を浴びている。
多くの被害者は、デビュー前とされる「Jr.(ジュニア)」時代の被害を訴えており、そのジュニアを取りまとめる子会社「ジャニーズアイランド」の社長に、2022年9月から就任した井ノ原快彦(47)も、今回の騒動に頭を悩ませているのだろう。
5月18日に本誌が見かけた仕事先での井ノ原は、うつむき加減で険しい表情を浮かべていた。
「仲間内では “カルピス” と呼んでいたんです。『カルピスやられた』というのが被害に遭ったという隠語でした」
こう話すのは、元ジャニーズJr.のAさん(30代)だ。彼もまた、ジャニー氏からの性被害を経験し、今回その様子を本誌に告発することを決意したのだ。
「中学生で入所後、すぐに仕事がもらえました。そして、ある日の仕事終わりに『ユーは今日どうするの?』と、ジャニーさんに声をかけられたんです。
ジャニーさんに連れて行かれた広いマンションは、子供にとってまるでテーマパーク。でも、そのときから『家に行ったら食われるなよ』『襲われたら、寝返りで回避しろ』と、仲間から忠告されていたんです。
最初の夜は怖くて眠れませんでした。それでもジャニーさんについていってしまうのは、家に行ったメンバーはバックダンサーでも目に見えて、いい位置で踊れたからです。そういう憧れもありました」
実際に、Aさんが大部屋で何人かの少年たちと寝ていると、ジャニー氏はドアを開けて部屋に入ってきた。
そして、多くの被害者が訴えているとおり、ジャニー氏はAさんの足元からマッサージを始めたという。
「その手はついに足の付け根まで来ました。体は硬直し、心臓のドキドキは止まらない。とても声なんて出せず、『早く終われ』と願うだけでした。
幸いにも、僕が受けた被害はそこまででしたが、ある日、僕の隣に寝ていたメンバーは陰茎を咥えられていました。事後、彼のパンツには血がついていて、『ジャニーさんが歯を立てた』と。
ただ、メンバーたちは高校生になると、ジャニーさんの家に呼ばれることはなくなります。声をかけられるのは、小中学生ばかりでした」
Aさんはその後、ジャニーズ事務所を退所して、芸能界からも離れた。
「性加害は許せないが、どうしてもジャニーさんを憎みきれません。ふだんは “聖人のように優しいおじいちゃん” で、仕事面、生活面で本当によくしてもらったからです」
大晦日の『紅白歌合戦』に多くのジャニーズタレントを起用してきたNHKも、5月17日の『クローズアップ現代』では、この問題を特集した。
「今年の『紅白』に頭を抱えています。自局で問題を報じているのに、例年どおりジャニーズ組を出場させると矛盾します。かといって、数を減らせば、『出られた組と出られない組の差は?』と、ファンからも視聴者からもツッコまれる。一気にゼロも、やむなしかもしれません。しかし、その場合は視聴率の大幅な低下は免れませんが……」(NHK関係者)
一度、堰(せき)を切ったら止まらない。『紅白』のみならず、芸能界に “ジャニーズ大恐慌” が起こるのか。
写真・梅基展央
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