佐々木朗希 160km超え速球に大谷超え「メジャー全30球団が熱視線」甲子園で「ナゲコミ」ゼロも高評価
「前投手コーチの吉井理人氏との出会いが、佐々木には大きかったと思います。吉井氏は佐々木の素質を『ずば抜けている』と認めつつも、『エンジン(体格)は大型車ながら、足回り(筋肉)はまだまだ。しばらくは体作りに専念したほうがいい』と球団に進言し、そのとおりの指導を徹底。1年めは一軍二軍ともに登板は回避したのです。2年めになると体も大きくなり、最終版とポストシーズンでは素晴らしい活躍を見せました。結果、3年めはどこまで進化するのかと、球界でも話題になっていました」
「まだオープン戦の段階ですからね。しかも今年、多くのチームがキャンプを張った沖縄は天候不順が続き、どこも調整の遅れが心配されるなかでこの投球です。昨季終盤から『来季の佐々木はすごいことになる』というのがパ・リーグ各球団のスコアラーの共通認識でした。球威は申し分ないので、あとは打者との駆け引きや球種をを身につければ、かつて田中将大が24勝0敗を記録したように、今季は”無双”になると思います」
「あるメジャースカウトの話では、佐々木のことはメジャー全30球団がマークしているとのことでした。とにかく、まだ20歳の若さが第一の魅力だということ。しかも160km超えのストレートに加え、三振の取れるフォークがあること。全般的にコントロールも素晴らしい。フォームに関しては直すところがない、ということでした。そして、じつは甲子園大会を経験していないという点も高く評価されているんです。
「佐々木は小3時に地元の陸前高田市で東日本大震災を経験し、父・功太さん(享年37)ら家族を失っています。その後は母・陽子さんが女手一つで3兄弟を育ててきました。それを間近で見てきただけに、母への思い、感謝は彼の言葉ひとつひとつからよく伝わってきます。『なんとか母に恩返ししたい』『母を楽させてあげたい』という気持ちが強いのです。もちろん世界最高峰の舞台への憧れもあるでしょうが、日本では考えられない破格の大金をつかめるというのもメジャーの魅力のひとつでしょう」