中国が「ゼロコロナ政策」を緩和してから、約2週間が過ぎた。だが、中国全土で感染が急拡大し、医学生による抗議デモが起きるなど、その余波は広がり続けている。
回り回って、日本の風邪薬にも影響が出ているようだ。12月12日配信の「PRESIDENT Online」によれば、ゼロコロナ政策の緩和により、現地では解熱剤が入手困難に。結果、日本の風邪薬、なかでも「パブロンゴールド」に中国から注目が集まっており、買い占めの動きが出始めていると報じられた。
実際に、中国のSNSサービス「微博(ウェイボー)」では、「パブロン購入した」「大正製薬の風邪薬を飲んで寝たら体調がよくなった」といった投稿が相次いでいる。業者と思われるアカウントが、大量のパブロンを並べた写真とともに「大正製薬の風邪薬購入中」などと投稿しているパターンも見られた。
Twitter上でも、パブロン買い占めを目撃したという声が相次いでいる。
《パブロン買い占め問題、どうせ観光地だけの話だと思ってたけど、地元のウエルシアでも在庫無し 中国語で1人3点までの注意ポップもあり》
《今日、最寄りの薬局で中国人カップルがパブロンをカゴいっぱいに入れていて、薬局も個数制限とかしてほしいわ…》
こうした状況について、パブロンゴールドを製造販売する大正製薬に聞いたところ、こんな回答が返ってきた。
「パブロンゴールドは日本国内で長年販売させていただいている中で、過去から中国の方々にもかぜの諸症状を緩和する製品として浸透しており、コロナ禍以前から普及しておりました。そのような背景の中、昨今SNS上で、パブロンを服用したところ症状が緩和したという報告が話題となり、お求めになる方が急増していると聞いております。
また、大量に購入されるニュースが流れておりますが、我々はつね日ごろからご購入いただいた方がきちんと用法用量を守って服用いあだくよう添付文書を通じて注意喚起をおこなっており、薬局・販売店の方々に適正販売のご協力をお願いしています」(コーポレートコミュニケーション部・担当者)
買い占めに対しては「想定外の需要が急増していることに対して、たいへん驚いているというのが正直なところ」だという。「国内においても、風邪のシーズンになりますので、風邪薬のトップメーカーとして、国内の需要にしっかりと対応できるよう供給体制を整えて参ります。現在、国内の需要に応えることを最優先とし、その都度判断して出荷数量は調整しています」とコメントしている。
日本も風邪引きが増える季節。節度を持った買い方をしてほしいものだ。
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