「総理、あなたの判断はいつも正しかった」
「弔辞を聞いて涙ぐむ支持者が多数いました。世間ウケは抜群です。党内では『菅さんの人間的な魅力がやっとわかってもらえた』と、喜ぶ議員が多くいますよ」(政治部デスク)
「私はこのことを、菅義偉生涯最大の達成として、いつまでも誇らしく思う」と述べた。
「菅さんの“焼き鳥ネタ”は鉄板ですよ。安倍氏の生前から、パーティなどで何度も披露してきた“すべらない話”。聞き飽きた」(安倍派議員)
「菅氏は、山県有朋が長年の盟友である伊藤博文に先立たれ、伊藤を偲んで詠んだ歌を紹介し、弔辞の結びとしました。自分を“不人気”な山県になぞらえ、その山県と伊藤の関係を、自分と安倍さんとの関係にオーバーラップさせるという、優れて“政治的”な弔辞でした」(「インサイドライン」編集長・歳川隆雄氏)
“政治的”とはどういう意味なのか。政治部記者が語る。
「山県は伊藤が暗殺された後も、元老として権勢を振るいました。つまり、今後は“キングメーカー”として、力を振るっていくという宣言だとも取れるのです」
「石破茂さんとはしっかり連携を取っていますし、党五役である森山選対委員長は、完全に菅さんと一心同体。さらに、二階派の多くのメンバーも菅さんは掌握しています。今後の自民党政局の中心にいるのは確かですね」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
「菅さんの岸田嫌いは、党内では有名です。後継総裁に岸田さんを考えていた安倍さんに『ノー』を言い続けたのが菅さんでした。岸田さんはなんとかご機嫌を取ろうと必死ですが、厳しいです」(自民党関係者)
「年内に岸田政権が窮地に陥った場合、次の首相を任せられる人物は菅さんしかいないというのが党内の大方の見方」(自民党議員のベテラン秘書)
“総理の死”で再びめぐってきたこの世の春ーー。だがそんな菅氏自身も、危険すぎる“時限爆弾”を抱えている。
「ずばり、統一教会(世界平和統一家庭連合)ですよ」
「菅さんと統一教会の関係は、菅さんが小此木彦三郎氏の秘書だった時代から始まります。1980年代、金丸信元副総裁とのパイプが太かった統一教会は、金丸氏の失脚後、渡辺美智雄氏に接近しました。その渡辺氏の側近が、小此木氏だったのです。当時、秘書でありながら横浜市の“裏ボス”として頭角を現わしていた菅さんは、当然のように統一教会とも関係を深めました。今回の自民党の調査によると、神奈川選出の自民党議員の中で9人もの議員が、統一教会と関係があったことが発覚しています。その中には、菅さんにとって子分とも呼べる山本朋広衆院議員、山際大志郎経済再生担当相、坂井学衆院議員などが含まれます。これで“親分”の菅氏が統一教会と無関係なわけがありませんよ」
「たとえば、統一教会から選挙応援を受けていたことが発覚している北村経夫参院議員を、極秘に地区教会へ派遣したのは菅さんの仕切りだったといわれています。さらに2017年5月に、統一教会の北米大陸会長・金起勲氏ら一行を首相官邸に招待した過去もあります。当の金氏が『ヨシヒデ・スガが首相官邸に招待してくれた』と、韓鶴子総裁への報告集会で語っています。私は、安倍さんを統一教会に近づけたのは菅さんだった、という可能性すら疑っています。この関係については、今後も深く追及されるべきです」
“壺界のキングメーカー”であることが発覚すれば、菅氏は政治生命すら絶たれるはず。“復権”が先か、“爆発”が先か……。
写真・時事通信、JMPA