モデル・藤田ニコルが10月13日、自身のX(旧Twitter)を通じて、「家族性高コレステロール血症(FH)」をわずらっていることを公表した(16日現在は削除済み)。
「藤田さんは、Instagramのストーリーズでも、同様の公表をしています。
公表に至った理由のひとつには、ファッションショーでランウェイを歩く藤田さんに『足がそんなに細くない』という、心ない声が寄せられたことにあるようです。藤田さんは、『病気のせいで足首はありません』とも明かしています」(芸能記者)
FHの特徴的な症状のひとつに「アキレス腱肥厚」がある。「足首はありません」とは、このことを指していると思われる。
FHは難病に指定されている疾患であり、周囲の理解も必須。函館稜北病院総合診療科の舛森悠医師が、この病気について説明する。
「遺伝的な要因により、体内のLDLコレステロールが異常に高くなり、心臓病のリスクが増加する疾患です」
藤田が公表したことで、「初めて聞いた病名」という声を寄せた人も少なくない。実際、比較的、まれな疾患だという。
「一般的な統計によれば、人口1,000人あたり約4人から5人の割合でFHを持つとされています。遺伝的な変異によって引き起こされるため、FHと診断された家族がいる場合、ほかの家族についても検査をおこなうことが重要です。早期の診断と治療は、心臓病や血管の問題を予防することができます」(舛森氏・以下同)
藤田が自覚するアキレス腱肥厚のように、特徴的な症状が現れる。
「黄色腫(黄白色調の腫瘍)やアキレス腱の肥厚(両足のアキレス腱が太くなる)が、一般的な症状として現れることがあります」
黄色腫はまぶたに現れることが多いが、腕、手、肘、膝、尻など、体のさまざまな部位の関節近くに現れることもあり、その大きさはさまざま。アキレス腱の肥厚は、進行すると歩行に支障がでることがある。
「これらの症状は、高いLDLコレステロールが結晶化して、組織内に沈着する結果として発生します。」
放置すると、心臓病の発症リスクが大幅に増加するというが、個人の健康状態やほかのリスク要因にも依存するため、医師の診断による評価が必要となる。
「適切な治療やライフスタイルの変更によって、LDLコレステロールを管理し、心臓病のリスクを低減させることが可能です。
進行すると、動脈硬化性疾患が好発するため放置は禁物です。食事療法(低脂肪食など)を含めた生活習慣の改善、薬物療法をおこないます」
明るいキャラクターの藤田の、さらなる活躍に期待したい。
取材・文/吉澤恵理
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