「腹ばいにされ手を強く踏まれました」G7サミットの裏で警察が「反対デモ」にやりたい放題の"暴力制圧"
「ガシャン! と大きな音がしたので振り返ると、商店街の店舗前で、機動隊員がデモ参加者のひとりをうつ伏せにし、数人がかりで押さえつけていたんです。その様子に、中国の天安門事件を思い出しましたよ。あまりにデモ隊が痛めつけられていたので『この様子は記録に残しておかないと』と、思わずスマホを向けました」
「おもなデモ参加者は、過激派『革命的共産主義者同盟全国委員会(中核派)』のメンバーです。G7サミットを『核戦争の元凶』とし、『サミット粉砕』を主張するデモ活動を強めていました。18日にも公務執行妨害で、別のひとりが逮捕されています(後に不起訴処分)」(社会部記者)
「そもそもこの日のデモは、事前に広島県公安委員会の許可を得た活動です。広島本通商店街周辺を回るコースを行進していましたが、機動隊員はスタート地点からデモ隊を挟み込むように移動。この間、機動隊員は我々の抗議声明をかき消すように『早く進め』『膨らむな』と大声で指図してきました。さらに『ふらついてるぞ』『もっと声出せよ』といった、挑発的な言葉も投げかけてきました」
「私はプラカードを持って、先頭付近を歩いていました。すると突然、襟首をつかまれ、後方に引き倒されたんです。瞬時に後方を見ると、隊列の中間あたりに機動隊員がなだれ込み、デモ隊員がビルのシャッターに抑え込まれていました。私はそのまま、数人の機動隊員によって腹ばいにされて組み敷かれ、手を強く踏まれました。そこに、幹部と思われる機動隊員が私の顔を確認に来て、『こいつは制圧でいい』と言い、ほかの隊員には『こいつは逮捕だ』と指示を飛ばしていました。実際、その参加者はそのまま逮捕されましたから、機動隊は、最初から逮捕者を決めていたのではないでしょうか」(同前)
「撮影機材を持っていた参加者は、真っ先に拘束されてしまいました。制圧の模様を残されたくなかったのでしょう。現場に到着した広島県警の警察官が、私を押さえつけていた機動隊員を『とにかくおまえら、落ち着け』と制止していたほどでしたから」(同前)
「警察権力の行使は必要最小限でなくてはならないのは、当然です。当日の動画や写真を見る限り、これが妥当だったのかは疑問です。やはり目撃した一般市民の信頼を損なう行動があったなら、間違いだったのではないでしょうか」