「べつにテレビに出なくなるわけじゃないです(笑)。僕が番組を卒業すると枠がひとつ空くから、後輩が誰か出られますしね」
「僕は顔まねからスタートし、歌や動きを取り入れていきました。『ものまね四天王』は、クリカン(栗田貫一)は声を似せていく方向に、ビジーフォーは洋モノで、うまいけど似てんだか似てないんだかわからないのがおもしろいっていう方向に行ってましたよね。
「そして2000年代に入ってからは、僕みたいにふざけたものまねは激減し、どれだけ完コピするかが重要視されている気がします。そんな時代なんでしょうが、ぶち壊そうとする若手が、今いないですね。
「ドリフ全員をものまねするレッツゴーよしまさくんや、松ちゃん(松本人志)のものまねのJPくんは、方向性はとてもおもしろいと思います。
「僕の芸は基本、失礼なんですよね。五木(ひろし)さんがロボットになる必要はないわけだし、森進一さんが途中からティラノサウルスになる必要もないんですよ(笑)。
『鳩ぽっぽ』でも『崖の上のポニョ』でもいい。なんでも歌う人だけど、歌わない歌を探せば、ヒントがあるんです。
●「まねする人がいる」そんなわけないじゃないですか(笑)
「怒られるから(笑)」と、ものまねの対象にはなるべく会わないようにしているコロッケだが、本人からツッコまれたことも多々あるという。
「特に(野口)五郎さんは、ツッコミの天才なんです。小指を鼻に突っ込むものまねをしようと、少しその仕草をしたら『ちょっと待て! なんだその小指』って。
「『ものまねグランプリ』からの卒業は、僕の芸は舞台やライブでしか見られない、という付加価値をつけたいという気持ちもあります。テレビでやっても一瞬ですし、カットされたりもしますからね。惜しまれての卒業は、いいタイミングだと思ってます」
「来年春くらいには、エンターテインメントアカデミーを作ろうと思っているんです。ダンスや喜劇、お芝居、殺陣、ものまね…あらゆるエンタメを学ぶ学校です。校長は僕。講師ももちろんやります」
「今の若手は基本をやらないんです。歌まねひとつとっても、ちゃんと踊れて初めておもしろくなるんです。韓流スターでも、北島(三郎)さんでも同じ。コントのなかで殺陣をやるときでも、殺陣や着流し姿での動きができるから、芝居が成立するんです。
“コロッケ2世”を育てたい。そんな夢へと向かって、「これまで以上に忙しくなりそうだ」と笑うコロッケだった。
写真・福田ヨシツグ