「日本製のセクシービデオは香港でも人気があります。それもあって、10月18日は各局でトップニュースとして扱っていました。ですが、やはり気分のいいものではないですね」
そう嘆くのは、日系企業の香港駐在員だ。香港警察は17日、尖沙咀 (チムサーチョイ)一帯で売春を摘発し、16人を逮捕したと発表した。うち一人が「愛沢のあ」名義でセクシービデオに出演していた日本人女性(27)だった。
「愛沢は現地でいう『エスコートガール』だったようです。日本でいうところの『デリバリーヘルス』といったところでしょうか。サイトに個人広告を出してお客を募っていました。料金は6000から7000香港ドル(11万~13万円)で、プレイや時間で差があったようです。セクシー女優だとわかったのは、パッケージの写真をサイトにあげていたためでした」(香港紙記者)
香港メディアによれば、女性の逮捕容疑は滞在条件違反だという。日本で知り合った中国人の斡旋で香港入り。自身が宿泊しているホテルにお客を案内し、性的行為をおこなって対価を得ていたという。
「入出国制限が緩和されたことで、外国人娼婦の入国が増えたことが香港で社会問題化していました。しかしこれまで、香港の外国人娼婦といえば、タイ人や韓国人が主流。日本人はほとんどいなかったんです。
ところが、コロナ禍や円安の影響もあるのか、昨今、大きく状況が変わりました。さすがに路肩に立つ女性はいないものの、娼婦を紹介するサイトには、日本人らしいエスコートガールが十数人も確認できます」(同)
国内の性風俗産業は、コロナ禍で大きな影響を受けた。そのため、国外で性的サービスをおこなう “海外出稼ぎ” を始める女性も少なくない。多くの場合、国内の斡旋業者の手配で外国に渡航。“出稼ぎ先” は中国、アメリカ、中東が主流だが、日本人女性の需要は高まるばかりだと、前出の香港紙記者が語る。
「日本人は肌がきれい。小柄で年齢より若く見えることもありますが、セクシービデオが普及しているので、性技にNGが少ないのも人気の理由だと思います」
だが、外国では、売春は犯罪組織が関与している場合がほとんど。そのため、帰国時にトラブルになることも多いという。アメリカ西海岸で3週間の海外出稼ぎをした女性(28)が、肩を落として “出稼ぎ” の実情を明かした。
「郊外の大豪邸に部屋を借りて、お客は大豪邸のマダムから斡旋を受けていました。時間は1時間。キスから本番までのフルサービスで800ドルですが、たいていチップが50ドルもらえました。
800ドルのうち450ドルがマダムの取りぶんです。自分の取り分350ドルのうち、現金でもらえるのは200ドル。残りは帰国時に振り込まれる約束でした。
最終的に振り込まれる額は2万ドル以上あるはずでしたが、実際には8000ドル。帰国してから斡旋業者に文句を言いましたが、結局泣き寝入りすることになりました。
なかには、帰国日に警察に通報され、所持金は『犯罪取得金』に認定、没収されたケースもあると聞きました。斡旋業者からは、『振り込まれただけラッキーだ』と言われましたよ」
海外出稼ぎの影響は、単独渡航の日本人女性にも出ているという。9月末、公演のためにアメリカ入りした舞踏家の女性は、現地空港で入国を拒否された。当該女性が、こう憤る。
「アメリカに入国した途端、別室送りになったんです。理由は、スーツケースのなかにあったランジェリーが派手だから。ダンスイベントのための衣装と説明しましたが、それなら仕事用のビザ(査証)がないと入国は認められないと言われました。
結局、翌日の便で帰国させられることに。別室には日本人女性ばかりが5人ほどいて、まるで狙い撃ちされているような印象を受けました。日本人が性風俗で海外出稼ぎしている話は私も知っていたので、それもあって目をつけられたんじゃないかと思います」
約束された報酬を受け取れず泣き寝入りする女性に、とばっちりで帰国させられてしまった女性。コロナ禍や円安、物価の上昇で落ち込む日本経済のしわ寄せは、思わぬところにまで波及していたようだ。
外部リンク