口に銃を入れて殺された「ラーメンヤクザ」の素顔…過去にもカチコミ、2人組による犯行予告で深まる謎
「突然バン、バン、バンと3回鳴ったんですよ」
「従業員からの119番通報があったのが午前11時過ぎでした。鼻と口から大量の出血はあるものの、運び込まれた救急病院で外傷が確認されなかったことから、警察は当初、脳梗塞による死亡と記者にも説明しました。しかしその後、CTによる撮影で銃弾のようなものが確認されて、銃撃事件に切り変わりました」(事件担当記者)
「じつは、『龍の髭』以前にも別のラーメン店が入っていて、その店があまりに不味かったんですよ。でも、数年前に余嶋さんの店に代わり、美味しくなったんです。周りもみんな1回は食べたほうがいいって言っていました。こんなことになって残念です」(近隣住民)
「とんこつラーメンに近いけど、あっさりして何とも言えないスープが評判でした。ネットで評判がいいせいか、若い人も多かったです。昼時なんかは、近所の工場に勤めている人でいつも満員でしたよ。安くてボリュームもあった」(別の近隣住民)
「渡世名は湊学で、六代目山口組系弘道会傘下湊興業の組長でした。借金もあり、お金に困って自らラーメン店で働いたようです。天下の弘道会傘下の組長が、まさか厨房に立っていたとは驚きですよ」
「お店は入りづらい雰囲気でした。コワモテの男のグループがよくたむろしていて、家族のように仲よさそうに話していました。そのなかに入る気がしなかったことがあった」
「小さなラーメン店には似合わない、黒塗りの高級車がしょっちゅう店の前に止まってて、“その筋” かなという気はしてました」
「店に車が突っこんで、入口から店内まで、全部ぐちゃぐちゃに壊される事件があったんです。これだけなら交通事故かと思うけど、警察に被害届を出さなかったと聞いて、“こら確実や” と思いました。一般人なら間違いなく被害届を出すでしょうからね」
「最初に余嶋さんが店をはじめたころは、オーナーというかたちで、自分ではラーメンを作ってなかったんです。店長を雇って、その人に任せていた。
「知人が中学校の同級生やったけど、『余嶋は、えらい “ゴンタくれ” やった』と。つまりとんでもない不良やったと言ってました」
「しかし、抗争事件が起こったときは各組織に『待機』命令が出されますが、今回は出ていないのです。しかも、弘道会トップの竹内照明会長は、六代目山口組の髙山清司若頭とともに、23日に都内で執りおこなわれた極東会特別顧問の葬儀に参列している。
「以前は美容室でしたが、あるとき、余嶋さんに持ち主が変わりました。要塞みたいな家ができて驚いていたら、いかにもな風体の人が出入りするようになって、困っていたんです。
「今回の実行犯は、2人組で事件を起こす前、知り合いのヤクザに『今からやってきます』と連絡してきたそうです。しかも、引き金を引いた後に『やりました。これで体(たい)をかわします』と言ってきたというんです。
「事件発生当日の15時くらいには、もう『銃を口に突っ込まれて撃たれた』という情報が関係者の間に流れていたんです。銃声はあったので、銃で撃たれたことはわかったとしても、なぜ口に銃をとかわかったんでしょうかね」
「余嶋さんは組長を引退し、別の団体の顧問に下がることを執行部にかれこれ数年も訴えていたようです。