中国人所長が部下に腹筋500回強要 、「飛び降りろ」暴言も…ユアサ商事で起きていた"対日パワハラ"現場
「思わず『こんなところで何をやっているんですか』と聞きました。オフィスの床で腹筋をやらされ、しかもそれを自撮りして上司に送らないといけないと言うんです。酷いパワハラが横行しています」
「腹筋を強要されていたのは、上海支社の30代の社員です。指示に応えていないという理由で、中国人所長に命じられ、就業時間外にもかかわらず、500回も腹筋しないといけないと言っていました。
「パワハラが始まったのは、今の中国人所長になってからです。特に日本人社員に対してのあたりが厳しいんです。気に食わないことがあると『死んでしまえ』『飛び降りろ』と、すぐに暴言を吐くんです。
「ある日、長時間オフィスの壁に向かって立っている社員がいたので、どうしたのかと尋ねたら、所長に『壁に向かって反省してろ』と怒鳴られたと嘆いていました。みんなの前で、膝を蹴り上げるなどの暴力も日常茶飯事。あまりのいじめで精神的に追い詰められ、会社を去った日本人社員が何人もいます」(同前)
「上海支社に人材派遣をしている会社から『ユアサではパワハラが横行している。日本人社員は標的にされるぞ』と忠告されるくらい、現地では惨状が有名で、それでも、所長の上司にあたる日本人の支社長は、見て見ぬふりをして何も対応してくれません。それどころか、問題の中国人所長は昇進する予定です」(同前)
「『告発者の実名がわからないと、正式な告発として受け取れない』『名前を明かさないと証拠として取り上げられない』という内容だったのです。再度匿名で告発するも、返答は同じ。しかし、社内規程には『利用者は、匿名であっても内部通報窓口を利用することができる』と書いてあります。
「突如9月28日になって、『対応は進めている』と会社から返信が来ました。最初の通報から1カ月たってです」
「腹筋500回は体罰、『死ね』などの暴言は侮辱にあたるでしょう。中国の労働契約法88条に、刑事責任の追及や損害賠償責任が生じる場合が4つ明記されていますが、侮辱や体罰もそのなかに含まれます。条文に則れば、行政処罰もありえます。ちなみに、中国の慣習に『実名でないと告発は認めない』というものはありません」
「中国でも、社内でのパワハラや、残業代の未払い、不当解雇などが社会問題になっています。現在、こういったケースは裁判になることが多く、会社側が負けることが増えています。現地の弁護士に相談することをすすめます」