4月19日、「NEWSポストセブン」が、ファッション評論家のピーコが万引きで逮捕されていたと報じた。
ことの発端は4月10日、「週刊女性PRIME」が報じた失踪事件だ。同記事によると、ピーコは、双子の弟であるおすぎを介護していた。しかし、ピーコにも認知症の兆しが出たため、同居を解消。おすぎは介護施設へ入居することになったという。
ところが、一人残されたピーコが、自宅マンションから姿を消した。ポストには新聞がたまり、部屋の前からはエアコンの音がする状態だったという。
「心配する声があがるなか、『NEWSポストセブン』は、ピーコが3月25日に買い物に訪れた店で、万引きして逮捕されたと報じました。
ピーコは近所の店で万引きを繰り返していたと見られ、今回逮捕に至った店とは別の店でも警察に相談があったそうです。逮捕された店では、『代金はカードで払った』と話したものの、クレジットカードは使用停止に陥っていたとも報じられています」(芸能記者)
そして逮捕後、ピーコは釈放されたが、自宅に戻らず施設に入所したという。
かつては「おすぎとピーコ」として『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系)など多くのテレビ番組に登場し、辛口コメントで場を盛り上げてきた2人。あまりにもショッキングな結末だが、いったいピーコに何が起きていたのか。
「もしかすると、万引きをしているという意識はなかったのかもしれません」
こう語るのは、予防医療研究協会の理事長で、精神科医の髙木希奈氏だ。
「認知症にはさまざまな症状がありますが、善悪の判断がつきにくくなったり、理性がコントロールできなくなったりして、『目の前にあるものが欲しい』という衝動にからめとられてしまうケースはありうると思います」
ピーコは現在78歳。そこまで認知症が進行してしまうものなのだろうか。
「決して早いということはありません。早ければ40代でも発症するものです。テレビに出演し、活躍されていたときは気が張っていますし、脳も体も使っているので、認知機能が保たれていたのでしょう。
しかし、芸能活動から遠ざかり、何もやることがなくなり、認知機能の低下が目立つようになったのかもしれません。専門用語で『廃用症候群』と言いますが、要するに体も脳も、使わないとどんどん機能が低下するんです」
芸能人ではなくても、ピーコのようなケースはよく起こるという。
「精神科では、今まで仕事が生きがいだった人が、定年退職を迎え、何もすることがなくなり、アルコール依存症になったり、認知症になったりするケースは非常に多いです。仕事をリタイアしても、別のことを見つけて体や脳を使うことが大事です」
人生100年時代。決して他人事ではない問題だ。
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