「次は、カンニングペーパーなしでスピーチしたいと思います」
こう意気込んでから5年。MVP、最多本塁打など数々のタイトルとともに、流暢な英語力を身につけ、再びニューヨークの地に舞い降りた。
2024年1月27日にニューヨーク市内でおこなわれた全米野球記者協会(BBWAA)の授賞式兼晩餐会に参加した大谷翔平。
その場に居合わせた現地ジャーナリストが、大谷の様子を語った。
「当日のニューヨークの気温は氷点下で、ものすごく寒い日でしたが、ホテルの駐車場に姿を現わした大谷はコートなし。つまり、授賞式前後に買い物や観光などに立ち寄る予定はゼロだということでしょう。ニューヨークですから、遊ぶところはいくらでもあるのに。このあたりが大谷らしいところでしょうね(笑)。ちなみに、愛犬のデコピンも一緒でしたよ」
この日のパーティーのドレスコードはブラックタイの正装指定。ベルベット地がおしゃれな、ヒューゴボスの真っ黒なアーカイブタキシードを、193センチの高身長でモデル顔負けに着こなしていた。
この夕食会はごく限られたメンバーしか参加できないことで知られる。ロイヤルブルーで統一された巨大ホールで参加を許されていたのは約600名。しかも協会メンバーでも一人325ドル(約4万8000円)のチケット代に、飲み物代は別途かかる。まさにセレブの集まりといった様相だった。
「授賞式後の晩餐会では、まずはサラダを口にすると、ローストビーフとデザートを美味しそうに食べていました。ふだん彼は外食せずに、すべて自炊でストイックな生活を送っていると聞いていたので、ちょっと意外でした。さすがにお酒は口にしませんでしたが、飲み始めると酒豪だという話もあります」(同前)
食事後は散会になる予定だったが、出席者がどっと大谷を囲み、キャーという歓声とともに、即席のサイン会に早変わり。ほかにもメジャーのスーパースターが多く出席していたが、大谷の人気は断トツだった。しかも、この日の大谷はいつになく上機嫌。大人だろうが子供だろうが、寄って来るファンと片っ端からツーショット写真を撮り、サインに応じていた。
異例のファンサービスを見せた大谷だったが、それ以上にファンを狂喜させたのは、約2分間の饒舌スピーチだ。
「大谷は、流暢な英語で『エンゼルス球団、オーナー陣、全スタッフへ。皆様の応援を毎日ありがたく感じていました。この6年間ありがとうございます』と、古巣に感謝を伝えていました。
横に通訳の水原一平氏がいましたが、彼の力を借りることはまったくありませんでした。手元の原稿を読んでいたとはいえ、パーフェクトな発音と堂に入った話し方は、会場中の喝采を浴びていました」(同前)
オフシーズンの大谷翔平は、ファンサと感謝の “二刀流” だった。
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