保険金の不正請求問題で、7月25日に会社幹部が記者会見を開いたビッグモーター。会見では、7月26日付けで創業者である兼重宏行氏が社長を退任し、専務取締役の和泉伸二氏が新社長に就任することが発表された。
その和泉新社長が、25日の会見後、全社員に次のようなメールを送ったという。朝日新聞やテレビ朝日が報じている。
《改革の第一弾としてまず全店のLINEの使用をすべて止めることにします。会社支給携帯に入っているLINEのアカウント削除をしてください。》
「ビッグモーターでは本社幹部と各店舗の店長で構成された『グループLINE』があり、“パワハラ” や “吊し上げ” がおこなわれていたことが明らかになっています。
幹部が店長をグループに招待し、参加するタイミングが遅かっただけで役職を解任されたり、『招待中で入らないボケは招待するな』などの暴言が投げつけられたと報じられています。
ほかにも幹部から『ふざけた報告すんなボケクソが!!!!!』『返答もできねーなら店長おりろ、ボケが』など、パワハラ的な発言が多数報告されています。
また、不正の原因となったとみられる厳しいノルマも、LINEを通して指示が出ていたようです」(週刊誌記者)
7月26日の『岐阜新聞』は、ビッグモーターの元店長が上司からパワハラを受けたとして訴えを起こしていると報じている。
元店長はグループLINEで「会話すら成立しないなら店長下りろタコが」「納得できない返答や抽象的な内容は、まともな内容になる迄(まで)何時迄でもやり直しさせます」など執拗にパワハラを受けたほか、残業を強要され、うつ病を発症。2022年8月に訴訟した。元店長は提訴直後の9月に事故で死亡したが、遺族が裁判を引き継いでいる。
このような状況下で出た「LINE削除指示」に、SNSでは批判があふれている。
《こんなの改革でも何でもなく、証拠隠滅を図っているとしか考えられません。社内LINEのやり取りの中に、都合の悪いものが存在していることを認めているようなものです》
《使わなければいいだけで別に削除する必要はない。何か漏れたら困るものでもあるのかなぁ》
Twitterでは「証拠隠滅」がトレンド入りする事態となっている。脳科学者の茂木健一郎氏は26日、自身のTwitterを更新。
《ビッグモーターの新社長が、LINEアカウントの削除を指示した件、証拠隠滅ととられるというごく当たり前の発想がない時点で、一体どういうことか、何も考えていないんじゃないかと驚くしかない。なぜこれが本気の改革になるのか、理解不能。だいじょうぶなんだろうか。。。》
と、呆れている。まさに理解不能――。
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