宮城県仙台市にある中華料理店「大阪王将 仙台中田店」での、衛生管理のずさんさが指摘された問題が、波紋を呼んでいる――。
「きっかけは7月24日、同店の元従業員を名乗る男性が、Twitter上で同店の厨房内と思われる写真をアップしたこと。《ナメクジ超大量発生してます》と、退職直後に、衛生管理が行き届いていなことを告発しました。
この事態を受け、大阪王将は27日に公式サイトで保健所による調査結果を公表。『調査では、ナメクジ、そ族(ネズミ)、昆虫などは見受けられませんでしたが、湿気の多い季節に外部からの侵入があったことが、店舗からも報告がございました』と、告発の一部を認める形となりました」(地方紙記者)
元従業員の男性は28日、市内で記者会見を開いた。同店の運営会社に対し「残った従業員のために衛生面や待遇を改善してほしい」と訴えたのだった。
「男性の告発によれば、ゴキブリ、ウジ、ナメクジなどが発生している事態を店長にLINEで伝えても、取り合ってもらえなかったとか。おそらく男性にとって、SNSでの告発は“究極の手段”だったのでしょう。
今年に入って、それまで知る由もなかった飲食店の“不祥事”の多くが、SNS上で告発されています」(ITジャーナリスト)
記憶に新しいところでは、2022年4月に明らかになった、牛丼チェーン大手「吉野家」の幹部の発言。常務取締役企画本部長である伊東正明氏が、早稲田大学の社会人向け講座で、若い女性を狙ったマーケティング戦略を、「生娘シャブ漬け」という衝撃的な言葉で形容した。
女性蔑視極まるこの発言は、受講者によって、Facebook上で告発されたものだった。
《講師の吉野家の常務取締役企画本部長の方が、講義で性差別・人権侵害発言を連発。若い女性を狙ったマーケティング施策を「生娘をシャブ漬け戦略」と笑いながら何度も発言。「田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢・生娘な内に牛丼中毒にする。男に高い飯を奢って貰えるようになれば、絶対に食べない」だそう》(受講者のFacebookより)
さらに、回転ずしチェーン大手「スシロー」は、7月13日から「ビール半額」の半額のキャンペーンを開始したが、その前日、利用客からはTwitter上でこんな“告発”が。
《スシローで生ビール何杯飲んでも半額ってあったから、元々お酒飲む予定じゃなかったけど注文して会計が半額されてなくて確認したら、これは予告であって今は実施していないとのこと。。。 フェアの開始日書いてないのに席に貼られてたら、今実施中と思うのが普通では、、、?w》
添付されたポスターの写真には、たしかに開始日は明記されていなかった。スシローは6月、宣伝していた期間限定のすしを実際には販売せず、「おとり広告」に該当するとして、消費者庁から運営会社に対して景品表示法に基づく措置命令を下されたばかりだった。
「かつて“飲食店×SNS”といえば、従業員が厨房内で、食べ物を粗末に扱う様子などがアップされることが多かった。飲食に関わる現場の従業員として意識の低すぎる行動が拡散され、“バカ発見器”とも揶揄されました。
しかし最近は、このような告発によって、従業員ではなく“運営会社”の意識の低さが露呈してきているのです」(前出・ITジャーナリスト)
本誌も2021年、福岡県北九州市にある「ガスト小倉城野店」、佐賀県唐津市の「ガスト唐津店」での、ずさんな衛生管理の実態を報じている。
関係者から本誌に提供された「小倉城野店」店舗内の写真には、ごみ箱と3つの食品ケースが写っている。周囲には段ボール箱が無造作に重ねられ、衛生的な環境とは言い難い。そして、右端のケースの袋の中には、ハンバーグがいくつも重なっているのが見える。
「唐津店」の、2020年11月のバックヤードの写真には、ケースに入った冷凍ピザが、コンクリート打ちっぱなしの地面に、直に置かれた状態で解凍されていた。
当時、ガストを運営する「すかいらーくホールディングス」に、今回の2店舗について見解を求めたところ、「このような事態は、当社の店舗運営基準に合致しておりません。お客様にも申し訳なく、お詫び申し上げます。事実関係を確認し、必要な対応を検討してまいります」と、全面謝罪。
消費者のことを第一に考え、“クリーン”にしていく姿勢が飲食業界には求められている。
外部リンク