11月30日、パワハラ問題が報じられていた楽天・安楽智大投手を自由契約とすることを決定したと、森井誠之球団社長が発表した。
安楽に関しては、複数の選手の証言によると、ロッカールーム内で若手選手を逆立ちさせたうえで、下着を脱がせて陰部を露出させあざわらう、食事の誘いを断ると深夜にしつこく電話をかけてくる、などのパワハラ行為があったという。
球団は全選手、スタッフら約100人へ任意のアンケート調査もおこない、本人への聞き取り調査含め、実態把握を進めていた。森井社長は「各選手にヒアリングをおこなってきました。結果、報道されていた事象がほぼ事実となりました」と説明。球団によると、直接被害を訴えたのは10人で、見聞きしたのは40人だったという。
処分が下されたいま、野球ファンのモヤモヤは他の選手たちにも飛び火しているようだ。SNSでは、こんな声が寄せられた。
《もうプロ野球チームとして、組織として、めちゃくちゃやん 田中将大は何してたん？主将の浅村は何してたん？他の中堅ベテラン選手は何してたん？当時の監督の石井は何してたん？こんな状態やのに、来季もNPBに参戦するつもりなんか？》
《大ベテランでもない安楽の行為を40人もの選手が見てて、誰も止めなかったのか》
《ぶっちゃけ安楽の蛮行を見て見ぬふりしたベテランも悪いよな》
《安楽智大が本日楽天イーグルスを自由契約に。そらそうよ 記者会見で他に関与した選手の話とか出たんかな。田中将大初めてベテランの投手たち何してんねんホンマに。特に監督やった石井一久何してたんや。》
実際、今回安楽のパワハラ報道では、田中将大投手の名前も頻出している。11月25日の「スポーツ報知」は、ロッカールームでの下半身露出の場面に、田中が居合わせていたという証言があると記載。28日の「夕刊フジ」によれば、楽天に復帰した田中が安楽とよく行動を共にするようになり、「後ろ盾を得た安楽は相当強気になっていた」と選手が証言しているという。
そうした話を裏付けるかのような動画がSNSで出回ったことも、結果的にファンの疑念を深めた。拡散された動画では、10月7日、松井裕樹投手が500試合登板を達成した記念撮影で、安楽が前列にいた内星龍投手とみられる選手の背中を2度も蹴っているのだ。足で押している程度とはいえ、やられた側は体勢を崩し、苦笑いするしかない状況。安楽はもちろん、そのやり取りを見ていた田中将大投手も終始ニヤニヤしており、さらには田中自身も隣にいたトレーナーと思わしき男性に右肘をコツンと当てる悪ふざけを2度繰り返す様子が映っている。
会見のなか、森井社長は「他の選手に関する事象（パワハラの関与）は出てきておりません。自分は注意できなかったのかと、反省している選手がほとんどです」とも語った。田中やベテラン選手たちが、どこまで状況を把握していたのかは定かでないが、ここまでの事態になる手前で、できることはなかったのだろうか。
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