名門・済美高校(愛媛)の2年生エースとして2013年のセンバツに出場し、決勝までの5試合で772球を投げたことで高校野球史に名を刻んだ楽天・安楽智大投手(27)が、11月25日、複数選手へのパワハラ疑惑を報じられ、球界に衝撃が走っている。
スポーツ紙が一斉に報じたことを受け、楽天は、同日に予定していた安楽投手の契約更改交渉を急遽見送るという、前代未聞の事態となった。
スポニチによれば、ある選手は今夏のロッテ戦前のZOZOマリンのロッカールームで「倒立」を命じられ、《「身動きがとれない状態でズボンとパンツを取られて下半身を露出させられた。陰部に靴下をかぶせて笑いものにされて恥ずかしかったし、精神的な苦痛を受けた。同じ被害を受けた選手は別にもいる」》と証言したという。
このほか、指導の名目で「アホ」「バカ」といった罵声を浴びせたり、食事の誘いや電話に出ないと、その選手の人格を否定するような発言も日常茶飯事。さらに「罰金」と称した金銭の支払い強要や、安楽に平手打ちされて、むち打ちの症状が出たと証言した選手もいるとのこと。
こうした話は、今オフの契約更改交渉の席などで複数の選手から球団に告発されたようで、森井誠之球団社長は「私の耳にも入ってきている状況。しっかりと調査する」と認め、調査に乗り出す方針だという。
2014年のドラフト1位にして、今季57試合に登板した貴重な中継ぎ投手として、ファンからの信頼も厚い安楽のパワハラ報道に、SNSも騒然となった。
《これが事実なら「いじめ」とか「パワハラ」じゃなく、完全な犯罪》
《仮に本当だったら、これが安楽選手だけの問題なのか、チームや野球界にある根深い問題なのか全部明らかにしてほしいですね》
といった声のほか、
《やっちまったな。。カメムシで懲りなかったか》
などの声もあがった。
「『カメムシ』というのは、安楽が済美で主将をつとめていた3年生時代、同校野球部で起きた、いじめ事件のことです。
当時、済美野球部では、2年生部員が1年生にカメムシを食べるか灯油を飲むか選択を迫るなど、恒常的な暴力やいじめで19人もの部員が被害を受けていたと判明。
安楽は当事者に含まれてはいなかったものの、事態を重く見た高野連は、済美に1年間の対外試合禁止処分を下しました。主将だった安楽も、U18アジア選手権高校日本代表選出が見送られています。
済美といえば、同校野球部出身であることを日頃から公言している、お笑いコンビ『ティモンディ』の高岸弘行と前田裕太は、安楽の先輩にあたります。野球にからんだ企画をこなすことも多い彼らに、悪い影響が及ばなければいいのですが……」(スポーツ紙記者)
もうひとつ気になるのは、前述したZOZOマリンのロッカールームで安楽がパワハラをしている場面に “マー君” こと田中将大投手もいて、「一緒に笑っていた」とする証言だ。スポーツ報知が報じている。事実なら、マー君も批判を受けることは必至だろう。
安楽のパワハラ疑惑報道に、楽天ファンとして知られるサンドウィッチマン・伊達みきおは、安楽と3日前に一緒に仕事をしたことを明かし、「安楽投手は、楽天としてはなくてはならない存在」と発言。「3日前は好青年でした」と困惑気味に語った。
すべての真相が明かされるまでは「疑惑」の段階だが、かつての甲子園のスター投手は、いま絶体絶命のピンチを迎えている。
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