「六代目山口組が“全国統一”を目指して、2024年に関東へ本格的に進出してくるかもしれない。というのも、ある独立組織を傘下に入れるといわれている。
実現すればヤクザ界の勢力図は大きく変わる。六代目山口組の関東進出は、三代目・田岡一雄組長時代からの悲願だった」
都内に住む、ある暴力団関係者がそう話す。いったい何が起きるのか――。
六代目山口組が狙っているという独立組織は千葉県市原市に本部を置く、指定暴力団・双愛会だという。
1950年代に現在の名称に改称され、構成員は約100人とみられている。横浜市にも拠点を持っており、関東の名門として知られてきた組織だ。
2016年に、椎塚宣会長が七代目会長を継承した際には、六代目山口組の司忍(つかさ・しのぶ)組長が後見人を務めるなど、両者は同盟関係を結んできた。
ところが、双愛会は2023年になって、幹部らの引退が続いているという。
「10月には統括委員長が引退し、ほかに2名の幹部の引退が近いという話が出ている。組織を離れるなかには、六代目山口組傘下に入ることを好ましく思わない者もいるのだろう。
できれば、このまま独立組織として存続したいところだろうが、組員もかなり減少し、双愛会が今後のヤクザ界で生き延びるためには、六代目山口組の傘下に入るしかないと見られていた。
双愛会先代会長の一周忌となる2024年8月を機に、何らかの形で六代目山口組からの支配が強まるという噂も流れている」(同前)
本当に、六代目山口組は双愛会を傘下に収めることになるのか。
この関東進出で注目されているのは、六代目山口組の中核組織である三代目弘道会のナンバー2、野内組・野内正博組長の動向だ。
岐阜市に本部を置く野内組は、弘道会の中でも“武闘派組織”として知られる存在だ。
ところが、岐阜県警は2023年11月に、六代目山口組と神戸山口組の対立抗争を受けて、野内組の関係先事務所などに使用制限の仮命令を出した。
さらに岐阜県公安委員会は、野内組の本部がある岐阜市に続き、大垣市も「警戒区域」に加えた。
「そのため、野内組は現在、本部事務所に立ち入ることができないばかりか、事務所とは別に若い衆が暮らすために用意している“寮”や“食堂”にまで使用制限をかけられている。組員らの生活の場が奪われた状態だ。
使用制限命令は今後も延長されるだろうから、当面はそれらの建物は使用できない。そこで、野内組が新たな“シマ”を求めて、双愛会を飲み込む形で横浜に進出してくるのではないか。
弘道会の直系で、しかも武闘派で知られる野内組長が、横浜に進出してきたら、関東の組織はかなり肝を冷やすだろう」(同前)
ヤクザ事情に詳しいジャーナリストは、警察の動きに注目しているという。
「六代目山口組が何らかの形で、双愛会を傘下に入れるのではないかという話は警察も把握しています。横浜に弘道会が進出してくるのではないかという話も同様です。
こうした動きに対して、さすがに警察も黙っていない。『何としても、山口組の関東進出は許さない』と躍起になっています。
あらゆる手を使って、弘道会そして野内組の動きを潰しにかかるのではないでしょうか」
六代目山口組の分裂抗争が長引き、ヤクザも大きなダメージを負っている。8年経った抗争の終結はいつになるのか。2024年、六代目山口組の関東進出が現実となれば、いよいよ事態が大きく動き出すかもしれない――。
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