朝倉未来がCEOをつとめる「1分間最強」を決める格闘技イベント「BreakingDown」から、またしてもトラブル発生だ。
7月12日、『令和の虎』への出演歴もある「予想屋マスター/平出社長＠令和の虎」こと平出心（ひらいで・しん）氏が、自身のTwitterで《本日、ブレイキングダウン選手いわちさんを名誉毀損で訴えました》と報告。これにより、BreakingDownの女子枠にレギュラー参戦する空手家インフルエンサー「いわち」が名誉毀損で訴えられたことがわかった。平出氏は、訴状を貼りつけたうえで、いわちに対して、慰謝料200万円と全国紙への謝罪広告を求めることや、同時に刑事告訴もおこなうので、いわちには逮捕の可能性もあること、などをツイートした。
ことの発端となったのは、元『令和の虎』メンバーの桑田龍征氏が、5月25日に自身のTwitterに投稿した1枚の写真だ。5月23日に銀座でおこなわれた人気YouTuber・てんちむのDJイベントに参加していた平出氏は、VIPルームで『令和の虎』メンバーとの集合写真の撮影に参加。撮影された1枚は、その場に混ざり込んできたという、いわちの左胸に、平出氏の左手が当たっているように見えるものだ。
たしかに写真だけを見た人には、平出氏の手が、いわちの胸を揉んでいるように見えなくもないのだが、平出氏の説明によれば、そのような事実はまったくなく、その証拠に、平出氏も自身のSNSに同じ写真をあげたりしていたという。なお、VIPルームは『令和の虎』メンバーによる貸し切りだったが、いわちはメンバーのなかに高校時代の同級生がいたことから、このイベントに呼ばれていたという。
その後、平出氏は写真のことなどすっかり忘れていたが、7月7日、いわちが突如、自身のYouTubeチャンネルでこの写真をサムネに使い、『【大喧嘩】彼氏と別れそうです【おっぱい揉まれた】第1話』とのタイトルで動画をアップ。動画のなかで、いわちは写真を引用しながら「（酔っていてその意識はないながらも）おっぱい揉まれてたんだよね」と発言した。また自身のTwitterに、5月25日の桑田龍征氏のツイートを引用する形で「【今日の動画】こちらの画像の平出さんおっぱいがきっかけで飼育員（彼氏）と大喧嘩しました。皆さんはこれ別れるべきだと思います？？？ 別れないべきだと思います？？？（桑田さん巻き込んですみません）」と書き込み、翌8日と9日にわたり、計3本の動画を公開した。
一連の動画の中で、いわちは「この写真がきっかけで彼氏とけんかになったけど、自分は揉まれた覚えは本当にないし、事実じゃないから（動画を）出した」と発言している。ちなみに、3本めの動画では彼氏とのけんかの結末として、彼氏と結婚することになったと明かしていた。
その後、7月21日に、いわちは『【私が名誉毀損で訴えられた件について】』のタイトルで、自身のYouTubeに動画をアップ。泣きながら「平出さんをかばったことで彼氏とけんかになってしまった。だったら、私が被害届を出せばよかったのか」と語った。しかし、かと思えば「（平出氏を）傷つけてしまい、申し訳ござませんでした」と謝罪するなど、その発言には一貫性がなく、ブレブレの印象を視聴者に与えた。一方の平出氏も、7月23日に『いわちさんを名誉毀損で訴えた経緯について』との動画を自身のYouTubeにアップ。「『令和』メンバーで写真を撮っているところに彼女が乱入してきて、彼女の体勢が崩れたところを支えてあげようとしただけ」として、「このままじゃ、さすがに私がおっぱいを揉んだという認識が世間に広がってしまう。いちばんいい方法は何かと考えた結果、裁判を起こすことにした」と説明。理路整然と、いわちを訴えることにした経緯を語った。
「インフルエンサーはいいことも悪いこともネタにできる」と語っていた、いわちがネタとして動画をあげた結果、平出氏から訴えられることになったわけだが。今回の裁判の争点はどこになるのか。著名人の名誉毀損の案件に詳しい弁護士が、匿名を条件に話を聞かせてくれた。
「今回の争点は、名誉毀損に当たるかどうかという点ですよね。名誉毀損が成立するのは、たとえば実際とは異なる事実を話して、平出氏が酒の場で女性の胸を揉むようなひどい奴だ、という印象を与えるような平出氏の名誉を毀損するものかどうか、というのがひとつ。また、嘘を流されたことによって、平出氏の社会的名誉が低下したか、このふたつが大きなポイントになります」
弁護士は「平出氏が怒るのは当然」としながらも、一連の動画などを観た印象として、「いわちさんが『ヤバそうな女性』という印象を持つ人は多いと思いますが、平出氏が悪意を持って胸を揉んだととらえる人は、ほぼいないのではないか」という感想を持ったという。
「つまり、平出氏はいわちさんの動画やツイートによって、名誉が毀損されたということもほとんどなく、一定程度は毀損されたかもしれませんが、これによって彼の社会的な地位や、社会的な信用が落ちたことは、ほとんどないのではないか、というのが私の第一印象です。刑事でも訴えるということですが、こちらも名誉毀損罪で訴えるということなのでしょう。ただ、動画が残っていますし、今後、いわちさんが証拠隠滅をするものは何もないだろうということを考えると、いわちさんが逮捕、いわゆる身柄を拘束されることはほとんどないと思いますね。
平出氏としては、訴えて損害賠償金がほしいというのではなく、絶対にやっていないという自信があるからこそ、実際に訴訟提起までしているのだということで、自分が無実であることをアピールする意図もあるのかもしれません。つまり『揉んでないことは間違いないよ』というのを、本気度が伝わる民事訴訟の提起という形で世間にアピールしたいという意味で、一種のメッセージもあるのではないでしょうか。民事も刑事もこれぐらい本格的にやるということは、当然、自信があるからに違いない、だからみんな、私が無実であることは信じてくれますよね？ という、自身の名誉を守る意味合いが強い気はしますね。お金なんて、どうでもよいとも思えます」
本誌が弁護士に話を聞いたのは、平出氏が7月23日に【いわちさんを名誉毀損で訴えた経緯について】の動画をあげる前。その後、本誌がこの記事を出す予定だった26日に、平出氏が新たに【いわちさんの謝罪動画に反論】という動画をアップ。一連の騒動に対して、一部では「2人によるドッキリや、ヤラセの類では？」と見る向きもあったが、平出氏は、いわちが動画の中で語った「あのとき、私が平出さんをかばったばっかりに彼氏を傷つけてしまった」「私が被害届を出せばよかったのか」という言葉に激昂し、26日の動画では「ふざけるなよ、お前！」と怒りを露わにしてみせた。何がどうなっているのか？ 平出氏に直接、話を聞いた。
「まずあらためて言っておきますが、私がいわちさんの胸を揉んだという事実は、100％ありません。それは、あのときに私の横にいた方の証言もあります。私の動画のなかでも言ったように、『令和の虎』のメンバーで集合写真を撮っているときに、彼女が入ってきて、私のほうに倒れかかってきたのを支えただけで、胸にはいっさい触れてもいないんですよ」
一度はいわちを告訴したものの、平出氏としては23日にアップした『【いわちさんを名誉毀損で訴えた経緯について】』の動画で幕引きにするつもりだった。その後、いろんな人と話をするなかで、彼女の試合用のパンツのスポンサーに、「平出さん、ごめんなさい」などのメッセージを入れてもらうことで、和解とするといった具体的な落としどころまで考えていたという。しかし、いわちの謝罪動画で「被害届」という言葉を聞いた瞬間、考えが変わった。
「被害届？ お前、ふざけるなよ！ と。ただでさえ名誉毀損だったのに、さらに加速してますし、あんな動画を出されたら、私が本当に揉んでいたと思われてしまう。この件で、知り合いの女性議員さんとも話したんですけど、『いわちさんの動画は女性にとってもよくない』と言われたんですよ。あぐらでお菓子を食べながら『揉まれてないんだよね』とか言っておきながら、あとから『本当は揉まれてた』とか言い出したら、性被害を訴えた女性の信用が揺らいでしまうと。
とにかく今回の件は、彼女があの謝罪動画さえあげなければ、終わっていたんですよ。でも、あれで私も考えが変わった。告訴を取り下げるつもりはありませんし、今後は法にのっとって、粛々と、やるべきことをやらせていただきます」
これだけ平出氏が怒りを露わにしているにも関わらず、いわちはいまだに動画もツイートも取り消していない。7月21日、いわちは自身のTwitterに、謝罪動画とともに、《【名誉毀損で訴えられた件について】いつも応援して下さっている皆様へ遅くなり大変申し訳ございません。今後に関して書かせていただきました。どう投稿しようかしない方がいいのか今も悩んでます。（略）この投稿を最後にしばらくSNSを休ませていただきます》と投稿。その後、何も発信していない。
本誌は今回、いわち本人にコメントをもらうべく接触を試みたものの、締め切りまでにはかなわなかった。
はたしてこの裁判、どうなるのだろうか？
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