新宿・歌舞伎町の一角にある大久保公園の周辺が、「立ちんぼスポット」と化して久しい。このエリアで、スマホを手に路上に立つ若い女性たちは、おおむね売春相手の客引きが目的で、男性たちは、それをわかっていて彼女たちに声をかける。
そんな異様な光景はいつしか日常となり、この一帯は悪い意味で名物スポット化。見物客が訪れたり、再生回数を稼ぎたいYouTuberたちの格好の的となっている。
そうしたなか、7月23日、毎日新聞の連載「ルポ路上売春 2023年の歌舞伎町から」に、こんな見出しが踊った。《ホテル入り口で『警察です』 歌舞伎町で急増の路上売春、集中摘発》。
記事によると、2023年1~6月は、歌舞伎町だけで27人の女性を売春防止法違反(客待ち)容疑で逮捕した。7月に入っての逮捕者も、15日までで10人以上にのぼっている。これはコロナ禍前の2019年を上回るペースだという。
どうやら、警視庁が7月に入って、集中的な摘発に乗り出しているらしい。いよいよ本格的な浄化作戦が始まるのか。界隈の事情に精通する、歌舞伎町ガイド人の仙頭正教氏(@sento1025)が話を聞かせてくれた。
「確かに、私から見ても、大久保公園に対する取り締まりや逮捕者が増えている印象はあります。というのも、大久保公園に集う男性から『また女の子が逮捕されたらしいよ』という声を聞く回数が増えているんです」
ただ、警察の本気度については、なんとも言えないところがあるという。
「毎日新聞の記事では、7月15日だけで5人の女性が逮捕されたとあります。確かに、その日(土曜日)は、大久保公園周辺でガッツリ取り締まりがおこなわれていました。午前中から私服警察がやって来て、立ちんぼ女性を逮捕していましたから。
ただ、その日の取り締まりは、大久保公園に対する重点パトロールではなく、歌舞伎町全体に対する『夏休み前(土日月/3連休前)の取り締まり』の一環だったと考えています」(仙頭氏)
仙頭氏は、理由をこう説明する。
「前日の14日の夜には、歌舞伎町エリアのキャッチが4人逮捕されています。また、15日の夜には、トー横(新宿東宝ビル横の広場)に対して一斉取り締まりがあり、少年少女が26人補導されたんです。つまり、大久保公園だけがターゲットになったわけではありません」(同)
肝心なのは、重点パトロールにより、そのあと大久保公園がどう変わったかという点だ。
「今日(28日)も大久保公園には、午前中から立ちんぼが立っていて、制服の警察官が近くを歩いても、彼女たちはドコ吹く風という表情です。なかには日傘なんか差して、実にノンビリな感じです。
こうしたことからも、私が思うに警察の本気度はまだまだ。今後も、大久保公園への取り締まりと逮捕者数は増えているでしょうが、活況はまだまだ続くだろうと思います」(同)
この異常事態はいつまで続くのだろうか。
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