5月24日、歌舞伎俳優・市川猿之助は、一家心中を図ったとされる事件をめぐり、警視庁から事情聴取を受けた。同日には、猿之助が「両親にビニール袋を被せた」と証言したと『文春オンライン』に報じられ、世間に衝撃が走っている。
猿之助が、両親である市川段四郎さん夫妻とともに自宅で倒れているのが発見されたのは、18日のことだった。両親は死亡が確認され、猿之助は19日に退院。18日発売の『女性セブン』では、猿之助のセクハラ・パワハラ疑惑が報じられていた。猿之助は、事件について「死んで生まれ変わろうと家族で話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ」と説明しているという。
両親は司法解剖の結果、向精神薬中毒死の疑いがあると報じられてきた。『文春オンライン』の報道では、週刊誌の報道をうけ、猿之助が一家心中を提案し、睡眠導入剤で意識を失った両親の顔にビニール袋を被せたと伝えられた。記事内で捜査関係者は、自殺幇助罪に抵触する可能性が高いと指摘している。
SNSでは、報道に対し衝撃を受ける声が広がっている。
《もう本当に悲しいよ。言葉がみつからない。》
《寝ている間が一番楽と言ってるけど、眠剤でって難易度高いし、明日以降も厳しい内容が出てくると思うと辛いな。》
《なんだか、悲しすぎるわ。残念です。》
段四郎さんは、歌舞伎界でも指折りの“名優”として知られていた。もちろん、猿之助と舞台をともにした経験も多い。
「段四郎さんは穏やかな人柄で、兄・市川猿翁さんの舞台を支えつつ、猿之助さんを育て上げました。猿之助さんは1983年、二代目市川亀治郎として初舞台を踏んでいますが、亀治郎時代からよく親子共演をされていました。段四郎さんの代表的な役のひとつに『神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)』の頓兵衛役がありますが、亀治郎時代の猿之助さんは、頓兵衛の一人娘・お舟役を演じたこともありました。
しかし、2012年の『4代目猿之助』襲名公演で、段四郎さんは途中で体調を崩し、舞台から離れていました」(芸能記者)
猿之助は襲名後、猿翁が立ち上げた「スーパー歌舞伎」を昇華させ、「スーパー歌舞伎II」に取り組んだ。段四郎さんの協力があったのは言うまでもないだろう。
「2015年のスーパー歌舞伎II『ワンピース』は、人気漫画を扱っているということもあって、大きな話題を呼びました。猿之助さんがルフィやボア・ハンコック、シャンクスを、段四郎さんはガープ中将を演じられています。はからずも、これが最後の共演とされていますが……」(前出・芸能記者)
ともに名優と評された親子は、あまりに悲しい結末を迎えてしまった。
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