「法律により、一般財団法人は純資産額が2期連続で300万円を下回ると、解散しなければなりません。財務諸表によれば、JBCの財産は2020年末は約2500万円、2021年末は約4000万円のマイナスでした」(ボクシング担当記者)
「JBCは2012年当時、事務局長だった安河内剛氏を不当に解雇した問題で、最高裁まで争いました。結局、2016年にJBCは敗訴し、莫大な裁判費用がかかりました。このことが、財政破綻のおもな要因だとみられています」(同前)
「JBCは、解散の理由として『コロナの影響で減収したこと』を挙げていますが、これは真実ではありません。コロナが原因であれば、とっくにスポンサーが手を差し伸べているでしょう。本当の理由は、この組織が違法行為を続け、弁護士費用と賠償金の支払いが積み重なったからです」
「今、永田(有平)理事長らはスポンサーを集め、組織を復活させようとしています。それができれば、支払いは可能なのでしょうが…」(北村弁護士)
「姑息ですね。JBCの幹部たちは責任を一切感じておらず、判決が間違っているという程度の感覚なのでしょう。違法行為に関わってきた人たちが全員辞めない限り、正常化はできません」
「安河内さんは、かつては事務局長として、見事に組織を運営してきました。しかし、裁判で不当解雇が認められたにもかかわらず、JBCは安河内さんを形式的に復職させただけで、実権を与えませんでした。おそらく永田理事長らは、新しいJBCでも、安河内氏に実権を与えることはないでしょう。これでは、これまでのJBCの二の舞いです」
「(JBCとの闘いは)2013年12月から、約9年弱に及ぶ長いものでした。プロボクサーとして年齢的にピークだった期間に、日本のファンの前で試合ができず、弟の大毅、和毅も含めて、辛く苦しい時期を過ごすことになりました」
「当時の自分たちのイメージからか、悲しいことに世間からは『亀田ならやりかねない』と思われてしまいましたが、裁判ではすべての映像が残っていたことが証拠となり、勝訴しました」
「そのため、オープンしたジムの経営は苦しく、当時は1億円以上の経済的損失を負うことになりました。しかし、何を言っても時間は戻ることはなく、返ってきません」
「(JBCは)現在は清算法人として業務を継続し、現在の債務超過を解消させるべく支援者探しと再建策を作成して関係各所との協議をしているところです。(中略)なお、一般社団法人JBCを設立いたしましたが、将来財団ではなく社団法人化することを視野にいれて、当面はボクシング興行維持のために最大限の努力をして再建のプランを協議しているところです」
「東京ドームはボクシングの聖地である後楽園ホールを運営し、歴代の経営者がJBCのトップに就くなど、深い関係があります。現状は難航しているようですが、もし資金援助の道筋がつけば、解散の原因を作った人たちが居座ることになるのではないかと心配です」(前出・記者)
「これからは、我々協会が中心になり、中立性を担保しながら、新しいコミッションを立ち上げようと、すでに動きだしています」(ジム経営者)
「2021年3月、私は新たにプロボクシングジムの会長となりました。今の私、“亀田興毅” があるのはボクシングのお陰です。一人のプロボクサーがボクシング人生をかけて臨んだ裁判をけっして無駄にすることなく、未来溢れるボクサーたちのために生かしていただけたらと思います」