指原莉乃が、11月21日、31歳の誕生日を迎えたことをX(旧Twitter)で報告。今のところ結婚願望はないが、《卵子凍結済みで生活してます》と投稿したことで、「卵子凍結」がトレンド入りした。
指原の報告に対し、Xでは《自分から先手打つの流石》《めちゃくちゃ賢い》といった称賛の声があがる一方、《卵子凍結したところで確実に妊娠できるわけじゃない》《卵子凍結は魔法ではない》といった批判的意見も見られた。
卵子凍結について、医師で東大大学院医学系研究員の柳澤綾子氏が解説する。
「健康な女性が卵子凍結をできるようになったのは約10年前からで、近年増加しています。それまでは、たとえば抗がん剤治療が必要な若い女性の妊孕性(にんようせい=妊娠するための力)を温存するといった、医療的な理由から卵子凍結がおこなわれていました。
その後、晩婚化やキャリアアップを望む女性の増加といった時代背景から、今は子供はいらないが将来のために卵子を採っておきたいという社会的理由による卵子凍結も認められるようになりました。
卵子は30代後半から急速に老化しますが、凍結した時点である程度食い止めることができます。体は年をとっても、凍結した卵子の能力は維持できるのです。
社会的理由で卵子凍結から出産した国内最初の例は、2016年に報告されています。現在、指原さんは健康だと思いますので、将来に備えての卵子凍結でしょう」
卵子凍結のメリットとデメリットは何か。
「メリットは、子供が欲しくても急がなくていいという点です。出産のタイミングをコントロールしやすくなるため、ちょうど仕事が忙しいときに妥協したり、キャリアをあきらめたりする必要がなくなります。
もちろん、SNSの投稿にあるように、凍結した卵子で必ず妊娠するわけではありません。採卵時の年齢が高いほど、融解した卵子の生存率、受精率、受精卵の発育する確率は低くなります。したがって、30代前半までの採卵を推奨しているクリニックもあります。
デメリットは、まず保険がきかない点。採卵・凍結、保管、体外受精のそれぞれの段階で費用がかかり、また卵子の個数でも変化しますが、凍結から妊娠までだいたい100万円を超えます。
次に体への負担。卵子凍結では排卵誘発剤を使うため、卵巣過剰刺激症候群になりやすくなります。通常、卵子は1つずつしか排卵されませんが、排卵誘発剤を使って10個くらいできると、卵巣がパンパンに腫れます。そうすると痛みや血栓、卵巣捻転が生じたりします。
そして、採卵自体にも出血や痛みがともないます。採卵は、膣内から子宮の壁を細い針で刺して卵子を吸い込む形でおこない、卵子の数だけ針を刺す必要があります。その痛みを避けるために麻酔をすれば、そのリスクも生じます」
サッシーの場合、施術は問題なく完了したのだろう。あとは将来、どのような選択をするのかに注目だ。
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