7月18日、タレントのデヴィ夫人が、自身のTwitterで突如、故・ジャニー喜多川氏による性加害問題に言及し、波紋を広げている。
ジャニー氏の性加害問題については各メディアでも、元所属タレントや親交のあった人間たちによる証言が取り上げられつつある。7月13日には、国連人権高等弁務官事務所が、「ビジネスと人権」作業部会の専門家が7月24日から8月4日に日本を訪問し、聞き取り調査をすると発表している。
だが、デヴィ夫人は国連の聞き取り調査に対し、《全く腑に落ちない》と問題提起。
《私はジャニー氏をよく知っている。事務所の子を我が子のように愛しく大切に可愛がり、ワゴンに沢山のお弁当を載せて自ら各楽屋に配っていた。》と生前の姿を語り、《ジャニー氏が亡くなってから、我も我もと被害を訴える人が出てきた。死人に鞭打ちではないか。本当に嫌な思いをしたのなら、その時なぜすぐに訴えない。代わってジュリー氏が謝罪も済ませているのに、これ以上何を望むのか。》と糾弾した。
怒りはおさまらず、非難の矛先は所属タレントにも向いた。《東山紀之氏は被害を訴えた元jr.たちの発言を「勇気ある告白」と表現し、「ジャニーズ」という名前の廃止についても言及した。その才能を見出し、育て、スターにしてくれたジャニー氏に対して、恩を仇で返すとはこのことではないか》と、東山を名指しで猛批判したのだ。
5月半ば、ジャニーズ事務所の現社長・藤島ジュリー景子社長が公式サイトで謝罪。東山は自身がMCを務める番組『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)で、所属タレントとして初めて口を開いた。「今回の喜多川氏に対する元ジュニアたちの勇気ある告白は、真摯に受け止めねばなりません。実際に、被害を訴えられていることは本当に切実で、残念でなりません。未成年に与えた心の傷、人生の影響は計り知れません」と語ったうえで、「そもそもジャニーズという名前を存続させるべきなのか」とも問題提起している。
当時、東山のコメントには「真摯な言葉が響いた」などと称賛の声が多く寄せられていた。だが、生前のジャニー氏と親交が深かったことで知られるデヴィ夫人にとって、東山は“裏切り者”に映ったらしい。SNSでは、デヴィ夫人に対する失望の声が相次いでいる。
《謝ったからそれでちゃらになるわけないでしょ デヴィ夫人に幻滅しました こういう人だったんですねガッカリ》
《デヴィ夫人面白くて割と好きだったのにがっかり…というか幻滅した 子供や弱い立場の人の気持ちを考えて寄り添う事ができない人だったのね》
《デヴィ夫人がこういう考えをする人だとは…。正直絶句した。例え女性でも性被害にあった方を目の前にしてこういうこと言えるのか?被害者はデメリットの方が多いと分かりつつも勇気を持って証言してる。あまりにも想像力が欠如し過ぎではないか?》
デヴィ夫人の発言が物議を醸したのは、今回が初めてではない。過去には、TOKIOの元メンバー・山口達也が、女子高生への強制わいせつ容疑で書類送検された際、こうつづっている。
《山口達也氏のTOKIOの仲間の方達は、許されない行為と言っているけれど、泥酔男性のたかがKissでしょ。しかもそこにもう一人の女性がいた。“ちょっと失礼” と言ってうがいして帰ってくればよかったのでは。アルコール依存症、これは直さなければ。無期限謹慎なんて厳しすぎ、騒ぎすぎ》(現在は削除済)
被害者側にも非があったといわんばかりのスタンスに、当時は批判が殺到。その後、『週刊文春』や『週刊新潮』で、犯行時に顔面をなめ回し、身体をさわったなどという詳細が明らかになり、デヴィ夫人は《単にキスをせまっただけではないことが判明しました》として、ツイートやブログを削除している。
前回も今回も「被害者に対する想像力が欠如している」と批判が集まったデヴィ夫人。くしくもツイートのあった18日には、ジャニーズ事務所が性加害問題をめぐる今後の対応について、記者会見をおこなう予定であることが発表されている。事態の沈静化に向けて動く事務所にとって、とんだ横槍が入ってしまったようだ。
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