7月9日、ミュージシャンの山下達郎が、ラジオ番組『山下達郎のサンデー・ソングブック』(TOKYO FMほか)に出演。“ジャニーズ忖度疑惑”について言及したが、その内容が話題となっている。
ことの発端は、山下が所属する事務所「スマイルカンパニー」と、音楽プロデューサー・松尾潔氏の契約終了をめぐる騒動だった。7月1日、松尾氏は自身のTwitterで、契約終了の経緯をこうつづっている。
《15年間在籍したスマイルカンパニーとのマネージメント契約が中途で終了になりました。私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由です。私をスマイルに誘ってくださった山下達郎さんも会社方針に賛成とのこと、残念です》
スマイルカンパニー側は、「今回の契約解除は、松尾氏によるこれまでの社内外での言動等に鑑み、弊社代表である私自身の判断により、松尾氏との協議の上、合意により終了することとなったものです」などと発表した。この時点で、山下が9日のラジオ番組で「大切な報告」をおこなうとも告知されていた。
名指しされた山下としても、話さないわけにはいかなかったのだろう。9日には、いつもどおり番組を始めつつ、中盤で「この度、私のオフィス・スマイルカンパニーと業務提携をしていた松尾潔氏が契約終了となり、そのことで私の名をあげたことで、ネットや週刊誌等でいろいろ書かれております」と話し始めた。
「山下さんは、契約終了という判断は社長がおこなったもので、自分は無関係だと説明。『そもそも彼とは長い間、会っておりません。年にメールが数通という関係』とも明かしました。松尾氏が契約終了となった理由については、『松尾氏がジャニー喜多川氏の性加害問題に対して、憶測に基づく一方的な批判をしたことが契約終了の一因であったことは認めますけれど、理由は決してそれだけではありません』と語っています。そのほかの理由については、とくに説明はありませんでした。
ジャニー喜多川氏の性加害問題については、『本当にあったとすれば、もちろん許しがたいこと』と語りつつ、『私自身がそれについて知っていることが何もない以上、コメントを出しようがない』と、知らんぷりを決め込むような発言に終始しました。さらに、『自分にとっていちばん大切なことはご縁とご恩』と、ジャニー喜多川氏への敬愛の念を語り始めたんです。すでに多くの証言者が出てきている問題にも関わらず、あくまでジャニー氏を擁護するかのような発言を繰り返したのは、さすがに悪手としか言いようがありません」(芸能記者)
最終的には、「このような私の姿勢を忖度、あるいは長いものに巻かれている、と解釈されるのであれば、それでも構いません。きっとそういう方々には私の音楽は不要でしょう。以上が、今回のことに対する私からのご報告です」と宣言。「いやなら聴くな」と言わんばかりの、これまでのファンを切り捨てるような“傲慢姿勢”に、SNSでは失望の声が寄せられている。
《松濤の豪邸に暮らす自分には見えない弱者の痛みを「憶測」と切り捨て、義理と人情を優先する音楽ヤクザの曲は確かに自分にはもう必要ありません。CD全部明日燃えるゴミで捨てますね。今までありがとうございました、山下達郎さん。》
《山下達郎さん、一流だと思っていたのに本当に残念。キャリアもあり多くのスタッフの生活を抱えてるアーティストが「自分はただの1人のアーティストなので」みたいなスタンスで発言するのマジで無理。無理すぎる。音楽産業の中で立場があり注目されているという自覚からの逃げ。ダサい。最悪。》
《結びの「僕の音楽は不要な方々なのでしょう」というスタンスはあまりにも文脈放棄じゃないかぁ、「作品に罪はない」と主張しておきながら自分のスタンスに納得できないなら僕の作品は不要だよねっていう結論はどうなの》
山下は、今回、ラジオで発言した理由について、「いまの世のなかは、なまじ黙っていると言ったもの勝ちで、嘘の情報が拡散しますので、率直にお話する必要性を感じた」とも語っていた。だが、世間の厳しい反応を見るに、沈黙を貫いたほうがまだマシだったのかもしれない。
外部リンク