8月24日の「デイリー新潮」で報じられた、俳優・香川照之の“性加害”のニュース。その衝撃の余波は、いまだ収まらない。
報道によれば、2019年7月に銀座の高級クラブを訪れた香川は、ホステスの女性に無理やりキスし、ブラジャーを外して胸を直接、なでまわすなどした。その後、PTSDを患った被害女性は、香川の乱暴を制止できなかったことを理由に、クラブのママを相手に訴訟を起こした。
この報道を受け、香川は26日に自身が出演する朝の情報番組『THE TIME,』で“生謝罪”した。また、同日配信の『ITmedia』によると、CMおよびオウンドメディアの『トヨタイムズ』の編集長に香川を起用するトヨタ自動車は、香川の行為を「社会的に許されない」としつつも、「今後を注視する」と、現時点での降板は否定した。そのほか、香川を広告に起用する企業の多くは、今後の香川の出演について「検討中」としている。
「デイリー新潮」によると、被害女性によるクラブママへの訴訟自体は、すでに1年前に取り下げられている。もちろん、香川の行為は許されることではないが、この事件が今になって報じられたことに、疑問を投げかける人もいる。ロンドンブーツ1号2号の田村淳は、8月28日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演し、性加害については非難しつつも、「示談になっているものを、また掘り返す作業って……」と問題提起した。
なぜ、訴訟が取り下げられたにもかかわらず、報道されるに至ったのか。芸能人の訴訟経験が豊富な江口英彦弁護士が解説する。
「被害女性が訴訟を取り下げたということは、すなわち、示談が成立したということです。有名人の場合は通常、示談書に『非公開特約』を入れて、当事者が口外することを抑止します。訴状では香川さんは『訴外香川』と書かれていますが、これは、香川さんは被告ではないということ。被告はあくまでクラブのママですが、香川さんもそれなりの示談金を支払っているはずです。
さらに、特約に違反した場合のペナルティとして制裁金を設定することが多いです。つまり、当事者が情報を売ったのであれば、特約違反で制裁金を科されます。ただし、この特約は当事者以外は射程外となり、効力はありません。たとえば、現場にいたほかの人物から情報が出たのかもしれません」
有名人は一挙手一投足が注目され、どこで誰に見られているかわからない。浅はかな行動は即、仕事に影響を与えるのだ。
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