「金正恩は“罠”に落ちた」プーチンが企む12月上旬「北朝鮮&ベラルーシから戦術核」の“二正面作戦”
「テロリストに核を保有する権利はない」
「9月13日、露朝首脳会談がおこなわれたボストーチヌイ宇宙基地は、ロシア国内に5つあるなかでも、最新鋭かつプーチン肝入りの基地です。そこに金正恩総書記を招待したのは、ただならぬ理由があると、私は考えています」
「2019年にプーチンと金正恩が初めて会談したとき、2人は13秒間、握手しました。今回は40秒間も手を握っていたんですね。さらに前回、プーチンは30分、遅刻して会談に臨んだのが、今回は先に会場に入り、建物の前で金正恩の到着を待っていたんです。格別のもてなしを見せつけたわけです」(中村氏、以下同)
「2022年4月、ベラルーシのルカシェンコ大統領も、この宇宙基地を訪問しているんです。当時、ルカシェンコは『このような基地を外国の首脳が訪問することはあり得ないことだ』と、感銘を受けていました。その後の2023年5月に両国は、ロシアがベラルーシに戦術核を置くという協定に調印しています」
「注視すべきなのは、戦術核は譲渡されたのではなく、管理・運用するのはロシアで、ベラルーシは手を出せない状態になっていることです。そこに、プーチンの“罠”があるんじゃないかと、私は考えています。そしてこの一連の流れが、今回の露朝首脳会談にも当てはまるのです」
「これだけのもてなしをしたのだから、しっかり恩返しをしろ、ということです。ルカシェンコも金正恩も、国際的に孤立しているなかで、プーチンの招待に応えてしまった。1、2カ月以内にロシアは、北朝鮮にも戦術核を置き、管理・運営していくことが考えられます」
「ベラルーシからは、ウクライナの首都キーウを撃つ。北朝鮮からは、ソウルを撃つ。プーチンは、アジアとヨーロッパの“二正面”で、至近距離から同時に戦術核を撃つことを考えているはずです」
「総動員体制を宣言して、大統領選挙を延期する腹づもりでしょう。過去の大統領選では、プーチンは12月20日ごろに出馬表明をしていますから、12月上旬には、二正面作戦が実行される危険性が高くなっていると思います」
「ロシアは自国から核を撃つわけではないので、アメリカは直ちにロシア本土に撃ち返すわけにはいきません。北朝鮮とベラルーシをアメリカの核報復の矢面に立たせようと、プーチンは考えているんじゃないでしょうか」