「新聞が『世の中を知る』ための基本かつ最良のツールであることは、今も昔も変わりません。一面からめくっていけば、政治、経済、国際情勢、文化やスポーツを含めた世の中の動き全体を短時間で、ざっと俯瞰できる。この一覧性において新聞に勝るメディアはないでしょう。新聞は情報量も非常に多い。朝刊の文字数は、およそ20万字。新書2冊ほどの分量に当たります。毎日、新書2冊を読むのは難しいかもしれませんが、一覧性のある新聞は全体を見渡すだけでも価値はありますし、そこで気になった記事を読めばいいのです」
「とはいえテレビも新聞から情報を得ているし、ネットのニュースサイトの記事やSNS上の情報も、元をたどれば新聞というケースは非常に多いのです。新聞社自身もネットに力を入れるようになっています。速報はネットで、インタビューや企画連載などじっくり読ませる記事は紙で、と役割分担が進んでいます。ネットの普及により、実際の発行部数以上に多くの人が新聞の情報を目にするようになったと言えるのです。
「ネットのニュースだと、自分が知りたい話題だけを読むことが多いでしょう。それ以外のニュースを知ることができません。ところが新聞紙面を広げると、自分の興味のあること以外の記事も目に飛び込んできます。ついそちらのニュースにも目を通すようになり、視野が広がっていきます。新聞は、自分が知らなかった分野や世界中で起こった出来事をいち早く伝えてくれるのです。それが魅力ですね」