テスラ社などのCEOであるイーロン・マスク氏が、Twitter買収を撤回したことは全米でも大きな騒動になっている。
「マスク氏は現地時間7月8日、総額440億ドル(約6兆円)に及ぶ同社の買収を打ち切ると通知しました。Twitter上で蔓延しているとされている『ボット』と呼ばれる実態のない偽アカウントに関する十分な情報提供に応じず、契約条項に違反したためとしています。
一方的な展開に、同社経営陣は裁判で争う方針を示していますが、10日にマスク氏は、同社を揶揄するような画像を投稿しました」(現地ジャーナリスト)
マスク氏の投稿は、自身の笑顔を4コマ漫画風に構成したもので、そこに次のようなメッセージがあった。
《彼らは私がツイッターを買えないと言った/その後、彼らはボット情報を開示しなかった/いまは裁判で私にツイッターを買わせようとしている/彼らはボット情報を裁判で開示しなければならない》
「マスク氏からすれば、“情報を隠して買収を防衛していたくせに、今度は買収されたいから裁判するのか” といったところでしょう。
マスク氏はかねて『現在のSNSは言論の自由が保障されていない』と訴えており、現行のTwitterに不満があった人たちはマスク氏の買収に賛同していましたから、はしごを外されたようなものです。
マスク氏の元には、《気まぐれすぎるだろ》《何がしたいんだ?》と反感のリプライが多く寄せられています。そしてこの “ドタキャン” に激怒した人物が、ドナルド・トランプ前大統領です」(同)
トランプ前大統領は、現地時間9日、アメリカ・アラスカ州で集会を開き、マスク氏への不満をぶちまけたのだ。
「マスク氏は、6月におこなわれた下院議員補欠選挙まで、共和党候補に投票したことはないと発言。これに対しトランプ氏は、『大統領選では私に投票したと言っていた!』と矛盾を指摘。
Twitterとの買収契約についても『腐った合意』と糾弾し、マスク氏を『嘘つきだ』と批判しました。
SNS上での影響力が大きいマスク氏は、2024年大統領選の出馬を考えているトランプ氏にとって “障害” になりかねません。トランプ氏も気をもんでいるのでしょう」(前出・現地ジャーナリスト)
世界一の資産を持つと言われているイーロン・マスク氏。その行動も型破りだ。
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