今季のベイスターズはなかなか波に乗れていない。巨人戦で勝ち越しても、いきなり前カードの広島戦では3連敗。今季の対戦成績は1勝11敗と苦手チームとなってしまった。7月12~14日の広島3連戦(マツダ)を含めて対策をしっかりと練らないといけない。
投手運用は柔軟に
6月24日の広島戦(横浜)で先発した今永は、球自体は悪くなかったしストレートの走りも良かった。ただ、序盤から内角を使い過ぎて甘くなったボールを右打者に痛打された。クロスファイアが意識付けなのか、勝負球なのか。はっきりしていない序盤にそのままやられてしまった。投手だけではなく、バッテリーで突き詰めていかないと。
ここまでの67試合で先発投手が7イニング以上投げたのは、12試合にとどまる。開幕からローテーションを守る大貫も7回以上は2度で4勝止まり。23日に初勝利を挙げた東も六回途中で交代となったが、2連投だった伊勢がベンチから外れており、任せても良かった。球数はあくまでも目安。点差がないと投げ切れないようではエースは育たない。
日本一に立ったヤクルトは昨季、規定投球回数に到達した投手は一人もいなかった。時代は分業制という流れになっているのも理解するが、先発は中6日できっちり調整できる。東が戻ってきて石田、浜口、今永とローテーションで回せる左投手が4人。こんなローテを組めるチームはいないし、1、2年目の若手が投げているわけではない。柔軟な運用が必要だろう。
育成と勝利は別問題
6月は苦しんだが、4番牧はよくやっている。去年は東京五輪で1カ月間休めたが、今季は初めてぶっ続けのシーズンを経験する。ここを乗り越えて夏からまた状態を上げられるか。
ヤクルトが大きく抜け出したが、3位以下は混戦状態。上位進出のチャンスはあるわけだから、まずはカープをやっつけること。そして先発陣をどう育てるか。若手野手も一緒で、育てるのと勝つのは別問題だから、全てに中途半端な起用にならないでほしい。
のむら・ひろき
野球評論家、桜美林大野球部特別コーチ。大阪・PL学園高を経て、1988年から横浜大洋(現横浜DeNA)でプレー。93年に17勝で最多勝、98年には13勝で日本一に貢献した。2002年に引退。通算301試合で101勝88敗。広島県出身。52歳。
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