シーズン前に激しい定位置争いが予想された横浜DeNAの遊撃は、現時点で中日から加入した京田陽太内野手(29)が存在感を示している。18日広島戦の二回には、ヘッドスライディングで内野安打をもぎ取り、山本の先制スクイズにつなげるなど貪欲だ。
新天地で奮闘する日々だが、チームメートへの気配りも欠かさない。
さかのぼること1か月以上前の4月6日。開幕スタメンに抜てきされながらも不振に苦しんだものの、その夜、ついに今季初安打となる殊勲の3ランを放った楠本は言った。「京田さんに『4月はどんな選手もバタバタするからそんなに気負わなくていい』と言われて気が楽になった」
大学時代は日本代表で共に戦った2人。楠本の言葉を京田に伝えると、「僕も経験があるから」と振り返り、「人の言葉を借りただけなんです」と打ち明けた。
実は楠本に掛けた言葉は、自身が中日時代に同じようにシーズン開幕当初でつまずいた際に、荒木雅博氏(現中日内野守備走塁コーチ)から受けた助言という。同じ苦しみを知るからこそ「(楠本の)ホームランは自分のことのようにうれしかった」と喜びもひとしおだった。
12日の阪神戦では左翼関根とともに薄暮で飛球を見失い、敗戦の一因となった。試合後は「(薄暮を)言い訳にはできない。必ず次に生かせるようにする」と京田。日々グラウンドで見せる表情には確かな闘志が宿っている。
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