ベイスターズ2軍の今を追う企画「REPORT BY DOCK」。今季も1軍昇格を目指す若手選手らの思いに迫る。
横浜DeNAのドラフト1位ルーキー、小園健太投手(19)の姿は今、横須賀市夏島町の2軍施設「DOCK」にある。
三浦大輔監督が現役時代に付けた背番号18を受け継ぎ、入団して半年ほど。1軍の春季キャンプで熱視線を集めた右腕は「一日一日が過ぎるのがすごく早い」。静かな環境で確かな歩を刻んでいる。
ベイスターズの未来を背負う逸材は、2軍戦に一度も同行することなく、球団の育成方針に沿ったトレーニングに励んでいる。現在最も注力しているのはフォーム固め。「自分の力を脚から腕に伝えられるように。何球投げても同じ体の使い方ができるようにしていきたい」と理想を追い求めている。
共にファームで汗を流す同期入団の三浦は1軍の開幕戦でプロ初登板を経験。先輩右腕から「満員の球場はいいぞ」とささやかれた。
憧れの舞台へはやる気持ちを落ち着かせてくれたのは、2軍調整中のエース今永。常に「焦るな」との助言をもらうことで、「じっくり自分で一つ一つ課題をつぶしていきたい」と現在地を冷静に見つめている。
佐々木朗の活躍に刺激
2学年上のロッテ佐々木朗が10日に達成した完全試合は、全ての投球に見入った。「もう、すごいとしか。自分? 無理ですよ」と苦笑し、こう続けた。「チームの勝利に貢献できるピッチャーになりたい」。ドラフト指名時から繰り返してきた言葉だ。
球団施設に近い京急線追浜駅には「1勝」と記された小園の色紙が並ぶ。背負った期待と浴びる注目は、計り知れないほど大きいが、「1勝するのも厳しい世界。周りに左右されることなく、しっかりと自分を持ってやっていきたい」と貫く幹は太い。
高校時代との一番の変化は「1人の時間が増えたこと。ずっと野球のことばかり考えられないし、結構好きですよ」。19歳はしなやかに、その器を大きくしていく。
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