横浜DeNA6-0ヤクルト
昨シーズンまでの不安げな右腕の姿はもうどこにもない。わずか91球、横浜DeNA・上茶谷が2年ぶりの完封勝利を自身初の無四球で遂げた。
「全力で一人一人を切ることを常に意識していた」。開幕から3週間、今季の本拠地初白星をファンに届けた。
初勝利を挙げた1日のヤクルト戦以来のマウンド。積極的な相手打線の傾向を踏まえ、序盤は最速149キロを計測した直球を軸に押し、ストライクを先行させた。2巡目以降はシュートで右打者の懐をえぐり、決め球のフォークボールを低めに集めた。
散発5安打で三塁を踏ませない好投に、「春季キャンプからゾーン内で勝負することを練習してきた。その成果」。100球以内の完封は、球団では2012年9月7日の国吉(現ロッテ)以来の快挙だった。
三浦監督の後押しが25歳を変えた。3月のオープン戦では習得中のフォークが抜けて痛打された。開幕ローテーション入りを逃す要因になったが、「試合で使わないと意味がない。ここでやめるなよ」。指揮官の言葉を胸に、握りの微調整を繰り返した。登板前日もグラウンドでブルペン捕手を相手に感覚を確かめていた。
百点満点に近い投球でチームの連敗を3で止めても、「終盤は捉えられた打球が多かった。先発として投げていく上で、スタミナの部分を詰めていかないと」。積み重ねた努力は自信と向上心に変わった。
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