元横浜DeNAで本紙評論家の須田幸太さん(37)と昨季までDeNAでプレーした田中健二朗投手(34)が13日、横浜市内でトークイベントを開いた。2016年のクライマックスシリーズ(CS)初進出の立役者である中継ぎコンビが、息の合った掛け合いでファンを楽しませた。
同年は須田さんがチーム最多62試合、田中が61試合登板とフル回転。ファンから当時のラミレス監督の采配は酷使だったかと聞かれると、2人はきっぱり否定。3連投回避や、球速が2~3キロ落ちると勝ちパターン(の一角)を外れるなど、選手の状態を見極めた上での起用だったという。
須田さんは「年間50試合以上投げて、次の年に活躍できないのは自分のせい。ラミレス監督の不思議な継投と言われるが、僕は変だと思わなかった。よく使ってもらった」と感謝。田中は「生きるか死ぬか。自分がどれだけ練習して強い肩をつくれるか。(元中日)岩瀬さんは千試合。酷使とかはない」と振り返った。
一番印象的な試合は
これまでの野球人生で一番印象に残った試合は、須田さんが「(19年に)都市対抗で優勝した試合。人生で一番うれしかった」と回答。続けて「CSで復帰した試合」を挙げた。
16年、広島とのファイナルステージ第3戦、3点リードの八回2死満塁を切り抜けた場面。「(左太もも裏の肉離れの)けがをしたまま投げられるのかよと思っていたが、応援の力で投げられた」と笑顔で話した。
田中もファンの声援が記憶にある。トミー・ジョン手術から復帰した2021年9月12日の阪神戦。「オースティンがホームランを打ったのかな。すぐに肩をつくってくれと言われた。コロナで人数制限があったにも関わらず、すごく大きな拍手をいただいた。ファンの皆さんの温かさを感じた試合」と頬を緩めた。
阪神ファンから激励
須田さんは阪神ファンとの面白いエピソードも披露した。甲子園球場で必ずやじを飛ばしてくる女性がいたそう。ある試合でも見つけると、意を決して「ピッチャーやっています、須田です」と声を掛けたという。
すると、その女性は「ええヤツやな。阪神は負けてるけど、頑張りや」。そんな応援のおかげもあってか、その試合では「気合が入って150キロが出た」と言って、会場を笑わせた。
田中は今季プロ野球2軍公式戦に参加する新球団「ハヤテ223(ふじさん)」でプレーし、NPB復帰を目指す。「一からのスタートになるが、もう一度1軍の舞台で投げられるように頑張って練習して、結果を残したい」と決意。須田さんは「選手が殻を破ってレベルアップするには、ファンの皆さんの応援が必要。健二朗の後押しをしてください」とエールを送っていた。
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