プロ野球セ・リーグ横浜DeNAの戦いを本紙で評論する球団OBの石川雄洋、須田幸太両氏が、このほど特別対談を行った。ドラフト1位で入団した度会隆輝外野手(ENEOS)の印象や2024年の開幕スタメンを予想。チームへのエールも語った。
─ドラフト1位の度会選手が加わった。
須田 断言する。度会はレギュラーを取ると思う。俺は社会人時代(JFE東日本)に練習試合で何度も勝負している。
石川 どうだった?
須田 すごい良いバッター。
石川 明るいキャラもいいよな。
須田 (フォークボールなど)落ちる系の変化球を全部拾うの。それで一、二塁間に引っかけてヒットを打つ技術があるんだよ。逆方向にも強い打球が打てるし。
石川 プロの投手相手に最初は手こずると思うけど、慣れてきたとき、どうなるかだね。
須田 彼の良いところって、ENEOSの関係者から聞いたけど、ひたすら練習しまくるらしい。朝から晩までずっとバット振っているらしいぞ。
石川 それは大事。プロに入ってそれが継続できるか。練習できるのって才能だから、きっと練習すると思う。
─開幕予想スタメンは。
須田 1番ショート林、2番ライトは関根か度会。3番レフト佐野、4番セカンド牧、5番サード宮崎、6番ファースト・オースティン、7番センター桑原、8番キャッチャー山本、9番がピッチャー東で。外野を度会、桑原、関根で競い合う。度会が7番の可能性もある感じかな。
石川 1番センターくわ(桑原)、2番ショート林、3番ライト・オースティン、4番セカンド牧、5番ファースト佐野、6番サード宮崎。7番キャッチャー(山本)祐大、8番レフト(関根)大気かな。度会がレフトに入ったら、7番もいいかも。そのときは8番祐大。度会は小技とかできるの?
須田 全部できる。(犠牲)バントもセーフティーバントも、盗塁もするし、オールラウンダーだよ。マジで嫌なバッターだった。
石川 マジでいい選手だな。
須田 マジでいい選手。俺は抑えているけど、見ている感じはマジでいい選手。
石川 今ちょっと抑えているってマウントを取ってきたな(笑)。
須田 度会はわくわくさせてくれる選手。超激推し。彼がENEOS1年目に対戦した時から、『絶対プロに行くな』って思った。そもそも高卒でENEOSの5番を打っている時点で、もう相当特別なセンス。
─期待する選手は。
石川 願望は森敬。あとは横浜高校の後輩の度会。あと、個人的にめっちゃ天才だと思う楠本には、『おまえ何しているんだよ』って言いたい。
須田 若手の宮城、石川とプラス山崎。三嶋もずっと応援している。
─牧が新主将に就任。
石川 俺も3年間キャプテンをやったけど、佐野もそろそろ交代の時期でよかったんじゃないか。
須田 佐野は一人の選手として頑張ってもらいたいね。
石川 重荷が取れて、まだまだ活躍するはず。
須田 牧はキャプテンでも心配ない。大丈夫でしょう。
石川 うん、大丈夫だね。
─新シーズンへエールを。
石川 26年ぶりの優勝しかない。メンバーはそろっている。絶対優勝できるメンバーだと思う。
須田 うん、うん。優勝もそうだけど、(横浜)DeNAは毎年観客動員数を更新している。勝つ試合もあれば負ける試合もある。最後まで戦う姿を見せてほしい。そして、やっぱり優勝が見たいです。
いしかわ・たけひろ
野球評論家。横浜高校から2005年に横浜(現横浜DeNA)入りし、俊足巧打の内野手として通算16年間で1003安打、118盗塁。横浜DeNAの初代主将も務めた。引退後はアメリカンフットボール選手としても活躍した。静岡県出身。37歳。
すだ・こうた
JFE東日本から2011年にドラフト1位で横浜(現横浜DeNA)入団。通算166試合で16勝19敗1セーブ、防御率4.81。19年からJFE東日本に復帰し、同年の都市対抗大会で初優勝。茨城県出身。37歳。
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