最下位から24年ぶりのセ・リーグ制覇を目指す横浜DeNAベイスターズが春季キャンプを終えた。「横浜反撃」を掲げるチームの状況を振り返る。
12球団唯一の防御率4点台に沈んだ投手陣をどう立て直すか。沖縄・宜野湾で徹底された「意識付け」は、現段階で一定の成果につながっている。
1月31日。キャンプ前日の全体ミーティングで三浦監督は「全員が80%以上の確率で投手有利のカウントをつくれる」ことをゴールに設定した。第1クールの3日間は「ストレートあっての変化球」(指揮官)と、ストライクゾーン内での全球直球指令。斎藤チーフ投手コーチの「枠(内)だよ」という声が響くほど、ブルペンは活気づいていた。
沖縄での対外6試合は4勝1敗1分け。先発陣は計9失点と及第点の結果だ。中でもお手本の投球を見せているのは、昨季6勝の大貫だろう。
2月27日の巨人戦で打者11人全員に対し、ストライク先行の投球で3回1安打無失点。開幕投手の最有力候補だったエース今永が左前腕部の軽い炎症で2軍調整となったいま、指揮官は安定感のある右腕を「候補の一人であるのは間違いない」と明言する。
「駒そろっている」
開幕ローテーションを巡っては、大貫に加え、左肘手術から復帰した東、ロメロの3人は確実視される。残る3枠の争いは激しい。
一歩抜けているのは石田か。昨年よりも早い調整は順調で2試合を投げて6回無失点。今後は登板回数を伸ばしながら安定感を保てるかという体力面がポイントになる。
同じサウスポーの坂本も好調だ。肉体改造に取り組んだ成果で直球に力がある。左打者対策で習得を目指している新球ツーシームも確かな手応えを得ている。
直近2年でわずか3勝の上茶谷は東洋大時代のフォームに戻し、シュートを新たに取り入れた。小谷コーチングアドバイザーの助言を受けながら殻を破ろうとしている。
昨季開幕投手を任された浜口も黙ってはいない。好不調の波をなくそうと、ブレのないフォームづくりに努めた。
ファームには京山、阪口らが控える。起用法は未定だが徳山、三浦の両新人も楽しみな存在だ。1年前、先発枠の編成に頭を悩ませていた青山ヘッドコーチは「今年は駒はそろっている。(先発を)誰にしようかという決め方ができる」と話す。
「流動的」だった守護神は―
もう一つの焦点は、「流動的」のまま昨シーズンを終えた守護神だ。
三嶋、山崎ともに高い競争心でアピールを続けている。三嶋は通常メニューの投球練習を終えた後、再びブルペンに向かって投げ込んだ。体を絞って沖縄入りした山崎も、日が傾いたマウンドでシャドーピッチングを繰り返していた。
ともに実戦はここまで無失点。26日の日本ハム戦は三嶋が八回、山崎が九回を投げたが、「順番は関係ない。お互い刺激を感じながらマウンドに上がってくれている」と三浦監督。不動のクローザーとなれる適性をじっくり見極め、進化の2年目につなげていく。
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