横浜DeNAが広島との開幕カードを2勝1敗で好スタートを切った。今季も切れ目のない打線が注目を集める一方で、チーム全体の走塁意識の高さも目立つ。昨季まで楽天でコーチを務め、今季ベイスターズの走塁アナリストに就任した佐竹学氏が、走塁改革の手応えや展望を語った。
―まず手を付けたことは。
「一番は走塁に興味を持ってもらうこと。野球は打つだけじゃない。打ってからのほうが大事。得点するためには、塁に出てからの作業のほうが多いので。いくら打っても走塁がしっかりしなくては点は取れない」
―オープン戦は18試合で12球団最多の24盗塁。選手が自信を持ってスタートを切っていた。
「始まったばかり。より不安なくスタートを切れるだけの材料を選手にも探してもらうし、こっちも探す。普通にスタートして普通に勝負したら、盗塁はアウトになる。何とかセーフになるための色んな(情報の)項目を選手と探して最終的に勇気を持ってスタートを切ってもらいたい」
―盗塁に関してパ・リーグとセ・リーグの違いはあるか。
「僕は正直、パ・リーグの野球が長くて(2007~09年は楽天、11~21年はオリックス、22、23年は楽天コーチ)、交流戦でしかセ・リーグのピッチャーを見ていない。僕も今勉強している最中。選手と一緒に勉強している」
―一つ先の塁を狙うため、何が必要か。
「正しい走路を走ることがすごく大事。一歩でも近く、1センチでも近くホームまで走るために正しい走路を走ること。無駄な走路を走ると、ホームが遠のく。いかに短い秒数で各塁に到達するか。キャンプから、走路については一番意識してもらっている。リードの仕方もそうだし、二塁からホームに返ってくる走路もそう。一塁からサードに行くときの走路も、かなり意識させている」
―選手たちの走塁への意識は徹底されてきたか。
「正直まだ物足りない。やはり小さいころから野球をやっているので、走路は癖が染みついていて、練習ではできても、いざゲームになると昔の動きに戻ってしまう。それを直すとなると相当練習を積まないといけない」
―タイムが縮まったり、変わってきた部分はあるか。
「練習では。ゲームになるとまだ無駄なところを走ってくる選手も多い。その都度映像を見せて(修正して)。この繰り返し」
―開幕戦から積極的な走塁が増えた。
「前に行く姿勢は構わないが、状況も大事。野球人生が終わるまで、ずっとトライアンドエラーの繰り返しで、失敗したから駄目ではなくて、次に生かせばいい。止まるのは簡単。前を向いていってほしい。彼らの野球人生がより成功するために時間を使っている」
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