昨季最下位に沈み、逆襲を期したベイスターズは42勝45敗2分けの4位で前半戦をターンした。一時は最大で借金が9まで膨れ上がったが、投手陣を中心に7月から怒濤の反撃を見せて一度は勝率を5割に戻した。2位以下が混戦のセ・リーグで、何とか食らいついた激動の前半戦を投打で振り返る。
奮起の先発陣
改善の一途をたどる投手成績に光を見いだしたい。3、4月は4・12だったチームの月間防御率は、7月は2・87と大きく持ち直した。
筆頭は開幕からただ一人ローテーションを守った大貫だ。既に昨季を上回る7勝をマーク。規定投球回数にはわずかに1回1/3届いていないものの、防御率2・36と出色の安定感を誇っている。
故障で出遅れた今永や、新型コロナウイルス感染で離脱を余儀なくされた浜口、石田も粘りの投球を随所で披露。三浦監督も「先発がしっかり試合をつくれば勝負になる。それが一番大きい」と評価する。
リードして終盤に持ち込めば、エスコバーと伊勢、完全復活した守護神山崎が盤石だ。懸念は疲労面。伊勢とエスコバーの登板数はともにリーグトップの45を数え、後半戦はコンディション維持も重視したい。
ブレーク蝦名
投手陣の踏ん張りが目立つ一方、オースティンを故障で欠いた打線は苦しんだ。チーム打率2割5分(リーグ3位)、1試合平均3・5得点(同4位)、得点圏打率2割4分(同)と、自慢の超重量打線を組めなかった影響が色濃く出た。
そんな窮地をチャンスに変えたのが蝦名だ。過去2年間で出場48試合の24歳は進塁打や盗塁などの役割を理解して信頼を勝ち得ると、交流戦明けからはリードオフマンも託され、ここまで52試合に出場。ただ、オースティンの復帰は近づいており、生き残りを懸けた正念場を迎えている。
佐野は打率3割3分1厘と2年ぶりの首位打者へ快走する。4番に座る牧は5月の月間MVPに輝いたが、6月以降は一転、トンネルに迷い込んだ。大和の助言をヒントに復調しつつあり、巻き返しが待たれる。
三浦監督は春季キャンプでは中軸にもバントを辞さないと宣言してきた。ここまで終盤の局面では各打者に任せてきたが、「中軸には走者を返す役割をやってもらっているが、可能性はゼロじゃない。時期にもよる」。どのタイミングで勝負手を繰り出すか。後半戦のポイントになりそうだ。
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